こうした問題について『ABEMAヒルズ』は、臨床心理士・公認心理師で明星大学心理学部教授の藤井靖氏に話を聞いた。
━━実生活で性交渉をしていない人がネットポルノ依存になりやすいということはある?
「身近なスマホで見られて、コストも低いし短時間で満足が得られるという意味では、依存の対象になりやすいと思う。しかし、ポルノに触れるきっかけが性欲でも、依存状態は必ずしも性欲が関係しているとは限らない。例えば男性であれば『常に男性らしくありたい』という欲求のもとに動画を見る人も実際いる。あるいは『なんとなく見ないとスッキリしない』『時間が空いたらやらずにはいられない』という強迫的な行動になっている場合もある。脳の報酬系が刺激され、より継続的かつ強い刺激を求めるようになると、性欲だけでは説明できない」
━━依存から立ち直るためにはどうすればいい?
「ネットポルノであれば、見る環境やパターンが生活の中にあると思う。それを少しずつ変えてみるのも一案だ。いつもポルノビデオを見ているソファーの位置を変えたり、帰宅した際のルーティンを崩して変化を与えてみるのも行動分析的な考え方としてあるだろう。特に、ネットポルノは法律を犯しているなど“悪いこと”ではない。だからこそ、問題性を自覚しにくい側面もあるので、啓発も大事。
私のカウンセリングでも『性に関係した習慣で出費が給料を超えた』『メンズエステや風俗に週5で通っている』など、依存行動が人生に影響を与えてしまう状態の人もいる。どこかで気づいたり、誰かに言われた時に、恥と思わず助けを借りてみようという意識を持ってもらえればと思う」
(『ABEMAヒルズ』より)
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