将棋の藤井聡太JT杯覇者(竜王、名人、王位、叡王、棋王、王将、棋聖、21)が9月9日、日本シリーズJTプロ公式戦の2回戦第2局で菅井竜也八段(31)に勝利した。次戦は10月21日に大阪市の「Asueアリーナ大阪」で、現在王座戦五番勝負で対戦中の永瀬拓矢王座(31)と決勝進出をかけて戦う。
前回大会で初優勝を飾った藤井JT杯覇者が、今期初陣で振り飛車党のトップ棋士を相手を破り連覇に向けて好発進を遂げた。振り駒の結果、先手番は菅井八段に。四間飛車対居飛車の対抗形の出だしから、菅井八段は穴熊、藤井JT杯覇者は高美濃と堅く囲い合った。互いに激しい攻め合いに発展すると振り飛車ペースと見られていたが、藤井JT杯覇者は動じることなく自然に応じ、緩急自在の差し回しでリードを奪った。
終盤では、2枚のと金でじりじりと自陣に迫る菅井八段に構わず、藤井JT杯覇者は最短の勝ちを目指して一直線。最後まで緩まず強打を続ける菅井八段を振り切り、藤井JT杯覇者が熱戦を制した。
勝利した藤井JT杯覇者は「中盤からはこちらの玉が薄い展開で戦いに入ってしまって、あまり自信の持てない局面が続いていたが、最後攻め合いでなんとか一手勝てる形になったのかなと思います」とコメント。敗れた菅井八段は「今日の将棋は一番急所の局面で間違えてしまって、そこがすごく残念でした」と悔しそうな表情を浮かべていた。
この結果、藤井JT杯覇者の準決勝進出が決定。次戦は10月21日に大阪市の「Asueアリーナ大阪」で永瀬王座と決勝進出をかけて戦う。
JTプロ公式戦は前年覇者、タイトルホルダー、賞金ランキング上位者から12人が選出されるトップ棋士たちによるトーナメント戦。持ち時間は各10分、切れたら1手30秒未満、各5分の考慮時間。ABEMAではこの対局を終了まで生放送する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)