昨シーズンは強気の押しでMリーグ記録タイとなる個人4連勝を決めたセガサミーフェニックス・東城りお(連盟)。一時はMVP争いにも名乗りをあげていた。4連勝中を「めちゃくちゃ気分よかった」と振り返る東城。しかし、今期の目標は「1年目、2年目みたいに謙虚な姿勢で」いること。「気分が高まりすぎるとダメ」と自己分析する東城は、初心を大切にしながら、対局場に向かう。
【映像】セガサミーフェニックス2022-23シーズン密着ドキュメント
-まずは昨期の振り返りを。チームは大苦戦だったが、個人では+160ほど叩けた。
東城りお(以下、東城) チーム的に厳しいのがあって、どんどん終盤にかけて苦しさが増していった感じでした。新シーズンは苦しい戦いにならないような戦い方をしていけたらな、と思います。個人では途中まで4連勝したところでポイントを稼げたので、そこは余裕を持って戦えていましたが、チームがマークされる立場になってからは、私の親番を全員が流そうとしたりとか「明らかにマークされているな」というのが見えました。「戦いづらいな」というところから自分のポイントもズルズル下がっていったので。全体的にチームが優位な位置で戦えるようにできたらいいな、と思っています。
-個人連勝は気分がよかったか。
東城 めちゃくちゃ気分よかったです!楽しかったですね。本当に麻雀が最高潮に楽しかったです。ただ、4連勝から5連勝を目指すところで、少し体調を崩してしまって。5連勝を目指していたところで期間が開いてしまったのが、あまりよくなかったのかな、と。周りから「監督の采配が…」と言われましたが、ただ私自身の体調が悪くて出られなかっただけなので。あそこでもし、もう少し期間を詰めて5連勝を目指せたら、もしかしたらもう少しよい結果になっていたのかな、というのはある。あそこで5連勝を決めていたら、チームポイントも稼げていたので、あそこはすごくよくなかったかな。体調がよくなかったので、どうしようもありませんが。やはり、波に乗れている時は波に乗れている戦い方をした方がいいのかな、と改めて思いました。
-長いシーズンだと体調をキープするのは難しい。
東城 難しいですね。私、めちゃくちゃ心配性なので、風邪を引かないように、コロナにならないように、すごく手を洗いますし、すごくうがいもしますが、その期間寒かったというのもあって。コロナにはなりませんでしたが、少し体調を崩してしまった。さらに気を付けたいな、と思います。
-体調の話で言えば、シーズンオフに体調を理由に近藤誠一選手が勇退した。魚谷選手とYouTubeで涙ながら語ったこともあった。
東城 本当に麻雀もすごくかっこいいですし、人としてすごくかっこいい存在。全てのベース、フェニックスのベースは近藤さんでできていたんだな、というのは改めて感じました。今、近藤さんがいなくなって、心にぽっかりと穴が開いてしまったというか、そういう気持ち。私の中で近藤さんは一人の人間としてすごく尊敬できたんだな、と改めて思いました。
-ここぞのところで「カッ」と(アガリ牌を)持ってきた。
東城 本当に、苦しい時に決めてくれた方。近藤さんが苦しい時に何とかしてくれると思うと、私も「ダメでもいいや」という気持ちで戦えていたので。それがすごくいい結果にも繋がっていたと思うと、すごく寂しい。すごく悲しい、寂しいです。
-今度は監督として見守ってもらえる。
東城 私は近藤さんとは他愛もない話しかしないです。(撮影だった)今日も髪型の話になりましたが、女子が3人いるチームなので、なるべくキャラ被りしないように心掛けていて。でも、色をいじれなくなってしまったので、長さで変えたら「本当に何でもやるよね」と言われて。私も「何でもやります」と言ったら「坊主は?」みたいな。「いや、坊主は嫌だし、モヒカンも嫌です」と言ったら「モヒカン!?いいじゃん」みたいな。そんなふざけた話ばかりするので。今日も相変わらず、ひょうきんな感じでよかったです。
-色をいじれなくなったというのは、いよいよ髪のダメージが限界にきたか。
東城 ダメージの蓄積が…。いよいよやばいです。美容師さんに「シーズンが始まるし、また色を遊びたいんですけど」と言いましたが、「できるけど、無くなるよ」みたいな。たぶん傷んでいたところが全部、ちぎれてしまうので。さすがにそれだと、いよいよ坊主になってしまうので、泣く泣く、付ける(エクステ)方にしました。傷んでいる部分が全部無くなっても髪が存在している長さになるまでは、おとなしくしていようかな、と思っています。
-近藤監督が、自分の後を託す形になったのが醍醐選手。
東城 今日で会うのは3回目ですけど、いい雰囲気を持っている方だな、と。ただ、過去2回で3言くらいしかしゃべっていなくて。人がしゃべっているのを聞いているだけでしたので、「どんな人なのかな」と思っていましたが、今日、一緒に撮影とかしてしゃべって、絶対にいい人だな、と。麻雀も醍醐さんの団体のリーグ戦で少ししか見たことはありませんが、近藤さんが後押しするくらい安定感もあるし、実力、実績もある方なので、私が言うもの何ですけど、麻雀の心配は全くないです。会ってみて安心感もあるし、意外とノリもいいところが見えてきたので。イジったら面白くなる人なのかな、と。私はイジるの、苦手ですけど、いいリアクションをする人だな、というのが見えたので。そこはすごく楽しみです。
-三人娘的に迎える側からすると、イジり要素があった方が絡みやすいか。
東城:絶対、あった方がいいですね。ドッキリとかしかけたら、超いいリアクションをしてくれそうな。スタッフさんと考えたいな、と思ってしまいました。会う前は「怖い方、厳格な方なのかな」と思っていましたが、普通に「おもしろおじさん」でした。
-そんな「おもしろおじさん」を迎えた新生フェニックス。今年の目標は。
東城 私は結構、欲をかくとあまりいい結果に繋がらないタイプ。なるべく1年目、2年目みたいに謙虚に。正直、実力、実績共に私よりも格上の人たちばかりなので、負けて当たり前という気持ちで挑むというのが、私の中ではいい戦いができます。負けて当たり前、勝てたらツイていたな、という謙虚な気持ちを忘れずに。ただ、しっかりと勝負所は逃さないように。その勝負感をしっかり研ぎ澄ませて戦えていけたら、と思います。
-どうしても連勝すればするほど、気持ちが高まり過ぎてしまう。
東城 そうなんですよ、私。5連勝したすぎて、MVP争いをしていた時だったので「MVP頑張ってください」とみんなに言われましたが、「MVPはいらないから、5連勝させてくれ」と。5連勝したすぎた結果、何もできなかったので。高まりすぎるとダメなタイプなんですよね。高まって「勝ちたい、勝ちたい」となると、点数稼ぐために、いつもできている判断ができなくなって戦う場面が増えるし、降りた方がいい局面でも判断が鈍る場面がでてきてしまいそうなので、謙虚な気持ちで。5連勝したいですけど、謙虚な気持ちを忘れないように、頑張りたいと思います。
-謙虚になるために、どうやって心を落ち着けるか。
東城 謙虚な気持ちを忘れないのはすごく難しい。横柄になるとか、驕るという意味ではなく、謙虚な気持ちはすごく忘れがちになってしまうので。自分以外の選手の試合を見て、「この選手はこういうところがすごくて勝ったんだな」とか、他の選手のすごいところをたくさん見て、「こんなすごい選手たちに負けるのは当たり前だよな」と考えたりしますね。試合とか牌譜検討を見て「この短時間で、これだけの思考を繰り広げていたんだな」とか。常に自分以外の人たちを尊敬する気持ちを忘れないと、高まる気持ちもおさまるようなイメージです。
-日々、勉強しながら心を静めるのか。
東城 高飛車になるというわけではありませんが、忘れそうな初心を、そういうことで取り戻そうとしています。
-新しいMリーガーで注目選手は。
東城 全員、注目しています。個性が爆発しているじゃないですか。7人も入ったのに1人も被らないくらい、みんな個性豊かすぎて。特にBEAST Japanextの4人とかは「どうなっちゃうのかな」と。楽しみというか、いい意味で注目はしていますが、その中でも菅原千瑛ちゃんが一番、対局をする相手。あと過去、最強戦に2回出たことがありますが、その時、2回とも千瑛ちゃんが優勝しているんですよ。だから、すごく勝っているイメージがある方なので、特に注目するといったら千瑛ちゃんかな、と思います。
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズンを戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。さらに上位4チームがファイナルシリーズに進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)