Mリーグ初年度優勝も時の流れは早く、今やファンの記憶からも薄れてきた。初代王者・赤坂ドリブンズだが、1年目から参戦している鈴木たろう（最高位戦）は「2年目以降、スカッとしたシーズンがない」と、納得がいっていない。「ゼウス」と呼ばれる神がかった選択により、相手を圧倒する麻雀をMリーグでも存分に見たいと思うファンも多い中、鈴木たろう自身も「改めて『あいつら強いな』と思わせたい」と燃えるものがある。
【映像】赤坂ドリブンズ 2022-23シーズン密着ドキュメント
－昨期の振り返りを。結果は厳しいシーズンだった。
鈴木たろう 苦しかったですね。監督にもチームにも迷惑をかけてしまった感じで。本当に辛いシーズンだった。序盤はいろいろできたんですけど、後半戦は何かやろうとしても何もできなかったというか、勝負に参加できなかった。何かやろうとしてもできるゲームじゃないんで、チャンスを待つ。それでも僕はこじ開けに行くタイプではあるんですけど、こじ開けることができなかったなと。負ける時ってそういうもんだとは思うんですけど、チーム全体そんな雰囲気だった気がします。
自分に関してはこじ開けに行き過ぎなところがあって、それに関しては抑えるべきだと思っているんですけど、でもやっぱりじっとして負けるって嫌いなんで、こじ開けに行きたいなと思っていますね。
－新しいメンバーが2人入ってきた。
鈴木たろう （チームの）再編成が迫られるのは本当に辛いことなんですけど、これで決まりというか、誰かが抜けなければいけない状況なんでそれを受け止めるしかなくて。今後ドリブンズが強くなることが、抜けていった2人のためにもなるのかなと。
再契約をした時は自分でもどうなるかわからなかったのですが「来期もチームにポイントを持って来てくれ」という感じの話をされました。チームに残してもらった期待に応えたいなという気持ちが強いですね。2年目以降スカッとしたシーズンがない。そろそろチームに貢献していかなきゃいけないかなという気持ち、焦りも含めてありますね。
－新しいチームメイトとはどのように過ごしているか。
鈴木たろう チームとしては練習をしていなくて、各々やっている感じですかね。ドリブンズはもともとチームとしての方針というのは特になくて、選手が自分で考える麻雀を打って、ポイントを持ち帰ってきてくれと。監督がそういうことを言っているので。個人個人で麻雀の話はしています。
－鈴木たろう選手から見て浅見真紀選手さんと渡辺太選手はどんなプレーヤーか。
鈴木たろう 正直またそんなに知らない（笑）。太はいろいろ人から強いと言われているし、信頼している人からもそう聞くので、期待しているところがある。浅見さんはドリブンズとしてトライアウトを実施したんですけど、地頭というか、我々が思う麻雀に必要な能力を持っている人、そのあたりは期待しています。
－テストには鈴木たろう選手も加わった。
鈴木たろう 問題作成だったり合否判定だったり、僕だけじゃないですけどみんなで話し合ってという感じですね。トライアウトの時に、監督が最初に選手に言ったのは「求めるのは麻雀で勝つこと」。それと、これは言ったかどうかは覚えてないですけど、発信力はあまり考えなくていいので、麻雀で自己主張をして欲しいという話をしていました。
－他のチームにもバラエティに富んだ選手が増えた。注目している選手は。
鈴木たろう 注目している選手は特にいないというか。麻雀をやっていて誰が一番強いかという世界でずっと戦ってきたので、やっぱり注目しているのは、今世間の声を浴びている選手ですね。今は多井さんだと思うんですけど、世間で一番強いと言われている人をやっつけたいという気持ちがみんな強いと思うので、僕も同じ気持ちがあります。注目しているのはそういう選手ということになります。
やっぱり認められたい気持ちがある。人気とかではないんですよね。麻雀の中身で目立っている人を麻雀でやっつけたい。ここ数年はパッとしないことが多かったので、そろそろやらなきゃなという気持ちが強いですね。
－来期に向けて何か目標設定は。
鈴木たろう チームとしては優勝しかないですね。Mリーグを見てくれている人が増えていく中で、ドリブンズが優勝したということを知らない人もいると思うんですよ。ずっと弱いチームと思われていると思っているので、それを改めてというか「あいつら意外と強いな」というところを見せたい。
個人としては初年度だけ成績が良くて、一応通算成績はまだプラスなんですけど、去年のマイナスがひどかったので、新規参入してくれるファンには麻雀弱い人と思われてるんじゃないかと思っているので、やっぱりそのあたりを改めるために目標はMVPですね。
全選手そうだと思うんですけど、個人賞というか、MVPを取る。それはイコールチームの貢献にもなるし、自分の評価にもつながる。そこを目指すという感じですね。
－ユニフォームは明るくなった。
鈴木たろう これは結構気に入っています（笑）。ユニフォームに関しては、自分たちは何も関わっていないしこだわりもないというか、麻雀を打てればいいっていう気持ちが強いんで。だけど実際これを着てみると、テンションが上がる。
－チームの半分が変わると新しいチームになった。新しい2人に何かアドバイスや、こうやっていこうという話をすることは。
鈴木たろう ないですね。やっぱり見ているファンの方って、チームカラーはイメージしてると思うんですけど、チームに選手が合わせるんじゃなくて、そこにいる選手の打ち方がチームのカラーになると思うんですよ。うちのチームはこういう方針だよ、というところから選手を集めるのではなくて、集まった選手のスタイルが結果的にカラーになっていく。みんな長年やってきていて実力もある選手なので、僕が何かを言うことじゃなくて、そもそもやっぱり論理的思考力というか、自分で気づく力だと思うので。そこを信頼してチームに入っているわけだし（人から何かをアドバイスされるよりも）自分で気づくべきだし、考えるべきことなのかなと思います。
－昨年苦しんだシーズンの中で何か学んだことがあるか。
鈴木たろう 麻雀って日々学びというか、バランス感覚を常に微調整しながらやっていくものだと思っているので、それは日々していること。負けたから何か原因があるとか、必ず原因があるわけでもないし、勝ったからと言って悪いところがないわけじゃないので。そこは冷静に判断するのも能力というか。負けた理由を自分で理解して、いろいろ仮説を立てて「これがダメだったのかもしれない」というのをいろいろ経験して、正しいかどうかを判断していくという作業は自分でするべき。やっぱり日々、変わっていっているんじゃないかなと思います。
基本的に性格は前向きなので、試合とかも負ける試合はあまり見ないんですけど（笑）。反省というか振り返りだけはして、牌譜しか見ないというか、勝った試合は映像も楽しみますけど（笑）。
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズンを戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。さらに上位4チームがファイナルシリーズに進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
