どんな時でも自分のペースは崩さない。そんな表情が垣間見られた瞬間だった。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2023」本戦トーナメント準決勝・第1試合、チーム永瀬とチーム天彦の対戦が9月9日に放送された。チーム天彦2勝4敗のピンチで大ピンチで迎えた第7局だったが、リーダーの佐藤天彦九段(35)は信頼するチームメイトの戸辺誠七段(36)に運命の一局を一任。真剣に対局の模様を見つめている…かと思いきや、優雅に足を組み手にはおやつも!?なんともマイペースな様子に、ファンからは「優雅な食事タイム」「うまそうに食うな」と多くの声が寄せられていた。
チーム天彦にとって、初の準決勝の舞台。対するは優勝経験もある“常勝軍団”・チーム永瀬となった。序盤から3連敗スタートと苦しい立ち上がりとなったものの、第4局では2回戦で個人全勝を飾った好調の戸辺七段が終盤に逆転勝利を飾り、チーム待望の1勝目を持ち帰った。流れを掴みたい第5局でも黒星を喫したものの、第6局ではリーダーの佐藤九段が踏ん張り、なんとか第7局に望みを繋げる勝利を飾った。
2勝4敗と後がないチーム天彦は、運命の第7局を戸辺七段に託した。向かうは相手リーダーの永瀬拓矢王座(31)。研究会経験もある両者による対戦は、戸辺七段の先手で中飛車の出だしとなった。両軍の控室では、大一番の様子を食い入るように見つめている…かと思いきや、チーム天彦の控室では、前局で一仕事終えた佐藤九段がリラックスモードに。机の上にはコーヒー飲料数種にゼリー飲料のパック、手には何やら紙に包まれた焼き菓子かパンのようなものを持ち優雅な“おさんじ”の様子がカメラに捉えらえた。
チームにとっては厳しい状況ながら、自分のスタイルを崩さず柔らかな表情で仲間と会話を交わす表情に、ファンも興味津々。「ドーナツ?」「もぐもぐw」「もぐ彦」「サンドイッチ?」「何食べてる?」「美味しそうw」「かれーぱん?」「優雅な食事タイム」「貴族バーガー」「天彦うまそうに食うな」と多くのコメントが寄せられていた。
対局は相穴熊戦へと展開し、桂馬と銀が飛び交うスリリングな展開に。互いの穴熊を削り合う激戦となったが、永瀬王座に攻防に手厚く押し切られ、チーム天彦の敗退が決まる結果となった。
◆ABEMAトーナメント2023 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり、今回が6回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士14人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全15チームで行われる。予選リーグは3チームずつ5リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)