仲のいいチームを守るために、リーダーが強い自覚を持って新シーズンに臨む。リーグ参入からファイナルシリーズ進出を続けてきたKADOKAWAサクラナイツは、連覇を目指して臨んだ昨シーズン、セミファイナルシリーズで敗退。一転して今期は、レギュラーシーズンを突破しなければ、チーム構成を変更しなければいけない状況になった。選手それぞれ、このレギュレーションへの向き合い方は異なるが、リーダー内川幸太郎（連盟）は、何が何でも入れ替え阻止と強く語る。そのためにも「緊張感を持たせたい」と、仲間にも卓上での戦いだけでなく、言葉でも鼓舞するつもりだ。
【映像】Mリーグ2023-24シーズン 開幕直前インタビュー
－昨シーズンの振り返りを。
内川幸太郎（以下、内川） 渋川さんが加入して、チャンピオンチームとして迎えたシーズンだったんですけど、編成が変わったので最年長キャプテン的な役割を誰しもが思っていたでしょうし、僕自身も思っていて、まとめ役というのはうまくいったかなと。渋川さんも気を使ってくれましたし、雰囲気としては1年間良かったとは思います。
ただ成績が非常に苦しいレギュラーシーズンで、ずっと苦しかった。セミファイナルに行けたと思いきや、そのままいい結果が出なかった。チームとしてはラスの数が1.5倍増ぐらい例年に比べて増えてしまったので、そこは改善しなければいけないなという風には思っています。
－ラスの回数は展開もあったと思うが、それにしては多すぎた。
内川 僕が150ポイントぐらい勝ったのも終盤戦なんですよね。中盤までは飛び抜けて勝つ選手がいなくて、勝っても5、60ポイント。負けている人が100ポイントという感じで、誰に頼ったらいいか、みたいのがなかなかなくて、自分もやれなかったというところがありました。切り替えが難しかった中で、展開も不向きでラスが多くて。そんな無理をしたわけではないんですけどね。
渋川さんはチームには慣れましたが、Mリーグに慣れるのは時間がかかった。序盤にものすごく多く登板をしたんですけど、そこはもう今シーズンはない。今シーズンは（入れ替え）レギュレーションにかかるので、全力で行けるんじゃないかと。Mトーナメントも勝っているし、堀さんはリーグ戦で絶好調。僕と岡田もまあまあいい感じで来ているので、万全の状態で迎えられるかなと思っています。
昨年は一年中苦しかった。苦しくない時がなかったという感じ。サクラナイツは浮き沈みが激しいチームで、負ける時は300負けるけど勝つ時は500勝つというチーム。今シーズンは300も400も勝たなくていいけど、毎月ちゃんとプラスを積み重ねていく方が今のうちの編成的にも向いています。できればラスの回数を減らしたい。ラスが多かったよねというのは言うようにはしています。
－最初の1カ月半ぐらいでスタートダッシュするというのが理想か。
内川 理想ですね。特に今シーズンは対戦相手が1チーム増えて均等に当たらない。当たらない期間が長いですよね。1カ月間に1回か2回しか当たらないチームもあるので、できれば早めにポイントを持っておいて、好調なチームをなるべく逃がさないように、不調のチームを叩くという戦略は取れるようにしたいですよね。
序盤にいい流れが来るかはなかなか難しい。オフシーズンでも練習をやったり収録をやったりして、一緒の時間を取れているので、あとは僕としては緊張感を持たせたい。今はすごく仲が良いチームなので。沢崎さんがいた時はどこか緊張感が絶対にあったんですよ。大ベテランのお父さんみたいな方だったので。そこまでを持たせられないかもしれないけど、言葉で言うしかない。緊張感を持って必死に1年間頑張りたいなと思っています
－入れ替え回避の第1ハードルとして9チーム中6チームに残らないといけない。
内川 戦い方も変わると思います。正直今までのシーズンは比較的自然に打って、終盤でポイントのないチームを抑えるというか、意識しておけばよかったんですけど、今回は当たらない試合もあるので、5チーム当たらないところがあって、最終的にターゲットと当たらずにポイントが勝手に増えたり減ったりする。展開で順位が作られてしまうということもあると思います。
やっぱり序盤にポイントを持っているのが例年以上に有利。2チームであればターゲットもわかりやすいし、直接対決で勝つこともできるんですけど、下3チームに入っていた場合はなかなかポイントを伸ばすのが大変になるんじゃないですかね。
組み合わせ次第ではありますけど、下のチームだけで叩き合っていてもしかたがないんで。そういう部分で難しくなる。やってみないとわからないですが、比率は悪くなったと感じています。
－開幕までにやるべき準備は。
内川 毎月いろいろな動画（収録）があったりYouTubeがあったりで、シーズンに向けてというのはないです。先ほども言いましたが雰囲気は何も心配ない。それよりも今シーズンは喉元に何かを突きつけられている状態なんだよ、ということをみんなに捉えてもらう。例年だとレギュラーシーズン通過は当たり前のこと、ファイナルに残るのはこのチームだというところがあるけれど、まずは土台でレギュラー突破を最大の目標に今年は掲げなければいけないです。
それをしっかり意識して、優勝するためにレギュラーシーズンで1ポイントでも多くというのが例年ですが、今年はファイナル出場とかではなくて10ポイントを失ってもいいからレギュラーを突破したい。これから展開を見ながら、言う必要はない状態で年を明けられるのが一番いい状態だと思っています。
－チーム全員で共通の目標を見ているということが重要か。
内川 そう思います。でも男2人は優勝しか見ていないんで（笑）。僕は結構手堅いタイプなんで。置かれている立場はわかっているので、正直条件戦みたいなものですね、うちのチームは。
－新しいMリーガーが7人入ってきた。
内川 醍醐さんが要注意だと思います。日本シリーズで1回打たせてもらったことがあり、映像ではいっぱい見ているんですが強いなと思っている。一番注目している選手ですね。
浅見さんは昔からよく知っていますし、そんなに知らない選手はいない感じです。渡辺さんは一緒に映像の仕事をしたことがあって、麻雀に対していろいろな知識があるなというのはわかっています。
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズンを戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。さらに上位4チームがファイナルシリーズに進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
