世論へのアピールはあきらめた? 内閣改造の顔ぶれと岸田総理こだわりの“バランス”を分析
【映像】改造内閣の顔ぶれ
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 13日発足した改造内閣はバランスを重視した党内世論に気を使った内向きな人事と見ることができるという。『ABEMAヒルズ』では、この内閣を「バランス内閣」と評するJX通信社・代表取締役の米重克洋氏に話を聞いた。

【映像】なぜ、世論アピールをやめたのか?

――改造内閣の特徴は?

大きなインパクトのある人事はないものの、各派閥や女性閣僚の数など、バランスにこだわった人事が行われている。特に、女性閣僚が5人になったことは過去最多タイであり、非常に人事らしい人事だ。

――世論はどのように受け止めると思う?

過去20年間の内閣改造後の世論調査の動きを見ると、小泉政権や第1次安倍政権では民間人登用などで大きく支持率を上げることが模索されてきた。しかし、ここ10年ぐらいは内閣改造によって支持率が大きく上がることはほとんどない。今回も世論に対してアピールをして支持率を上げようという狙いは途中で捨てられ、基本的には派閥のバランスや当選回数、女性の人数などを重視したバランス内閣が組まれたと考えられる。

――岸田総理らしいバランスの取り方?

岸田総理は、これからやりたいと言われている子ども・子育ての政策や、深刻な台湾海峡情勢に対して防衛大臣に木原稔氏など、適任とされる人物を登用しながら、全体としてはバランス重視の人事を行っている。ただ、刷新感は言われていたほど強くない。

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――5人の女性閣僚についてどう評価する?

外務大臣の上川陽子氏は、もともとアメリカ議会のスタッフをしていて英語力もあり、外務大臣は適任だと思う。自見はなこ氏は世襲議員だが議員立法に力を入れている。押さえるところを押さえて女性閣僚を選んでいるのだろう。しかし、閣僚19人中5人が女性であることは、社会の男女比と比べてもそれほど多くはない。自民党内で現職優先で、現職は世襲の男性が多いため、女性が新規参入しにくい構造ができている。その中で、当選回数や派閥など複数の変数の連立方程式を解いて人事をやらないといけない。これ以上、女性を増やせなかったという限界も露呈している。

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――小渕優子元経産大臣は選対委員長となったがどう思うか?

小渕優子氏は、日本初の女性総理大臣になるとしたらこの人という評判が永田町で強いが、過去の政治資金問題がついて回ることが課題だ。閣僚ほどではないが党四役で表に出る回数が増えるので、折に触れて説明責任を求められる。それに耐えられるがポイントだ。四役の中では唯一の女性でまだ49歳と若いこともあるので、選挙の顔ということも期待されるだろう

――解散総選挙の可能性は?

今回の人事を見ると、「解散総選挙」のカードも「来年の自民党総裁選までそのまま行く」カードもどちらも温存している。解散総選挙のタイミングとしては、最短で10月中旬の臨時国会召集後や来年1月などが考えられる。

(『ABEMAヒルズ』より)

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本記事は自動文字起こしツールや生成AIを利用していますが、編集部の確認を経て公開しています。

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