戦っている時の鋭い視線、しかしひとたび対局が終わればほんわかした雰囲気で試合を振り返る。そんなギャップの魅力で多くのファンを虜にするKONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まり(連盟)。スタイルチェンジをして臨んだ昨期はレギュラーシーズン+194.1とキャリアハイの成績を残した。「今ある環境に恵まれている」と周囲に感謝する高宮。「どんな時でも応援してくれる」ファンの声を力に変えて、今期も躍進を続ける。
【映像】Mリーグ2023-24シーズン 開幕直前インタビュー
 
-昨期、チームは惜しくも準優勝。個人としてはレギュラーシーズン8位。振り返りを。
 
高宮まり(以下、高宮) 昨期はスタイルチェンジをして臨んだシーズンだったので、正直、練習でできていても本番でできるかどうかわからないところがありました。そういった不安がありましたが、数字を残せたことは1つの安心材料になったかなと思います。
 
-具体的にはどのあたりが変わった。
 
高宮 もちろん、アガれるアガれないというのは、その時の恵まれていた部分がたくさんありましたが、そこに至るまでの過程というのがだいぶ変わったと思います。どこがどうという感じではありませんが、副露率が上がって放銃率が下がったりなど、目に見えた変化もありました。
 
-わかりやすく言うと、打ち方の幅も増えた。
 
高宮 バランスの取り方が変わりましたね。手組みも変わったし、攻撃という点でもだいぶ幅が広がったなと実感が持てました。
 
-プロ歴も長くなってきた。そこまで変えるのは苦労も。
 
高宮 大変だし、怖さもありますが、偶然たくさん稽古をしてくれる仲間に会えたことと、それからチームが見守ってくれたこと。そして、私のことを応援してくださっている方の存在が力になりました。皆さんどんな時でも応援してくださるので、もし試行錯誤になってしまった時もがんばれがんばれーって言ってくれるだろうし、そんな方々に喜んでほしいから前向きにがんばろうって思えました。
 
-稽古をする相手が変わると、劇的に変わるものか。
 
高宮 変わると思います。ただただ、今ある環境に恵まれていると感じますね。
 
-単純に麻雀する環境が変わった。
 
高宮 変わりましたし、私自身もたくさんの方にお会いしてきたので、昔より他の人の意見を聞くこと、自分の意見を話すことに抵抗がなくなってきたのかな、と思います。
 
 特にMリーガーになってからは、自分の考えとか思考とかをしゃべる機会がかなり増えました。Mリーグができる前は、そんなにしゃべらなくても、自分の考えをしっかり話さなくても問題はなかったと思いますが、かなり深掘りした質問をいただく機会も増えました。そういった経験を通じて、自分の意見や、自分がふんわり思っていることを言語化することも大事だな、と思えるようになってきました。
 
-高宮選手と伊達選手。女性2人の活躍をどう見ている。
 
高宮 私自身は男性・女性が活躍しているという視点では考えていません。ただ、せっかく良い練習ができたから、自分が本番でどこまでやれるのかな、ということだけを考えていました。チームでの成績のバランスとかは全く気にしたことはないし、これからもないと思います。
 
-後輩の伊達さんはMVPを取った。
 
高宮 後輩という意識もないですね。それぞれ一人一人が頼りになるチームメイトだと思っています。
 
-開幕に向けた準備期間は。
 
高宮 去年のオフシーズンからかなり稽古を増やしていたので、去年とあまり変わっていないですね。一昨年と比べると、変わったかもしれないですけど。
 
-チームとしてはレギュラーシーズン1位。雰囲気は良かった。
 
高宮 かなり空気感は良かったと思います。新チームとしては2年目でだいぶ馴染んできたというか。それが良かったのかなと思っています。
 
-個人としてはより精度を高めていく。
 
高宮 そうですね。より精度を高めていくことを考えられるようになっています。
 
-個人、そしてチームとしての目標は。
 
高宮 個人としては、変わらず自分がきちんと麻雀と向き合った時間を形にできるかを、考えていきたいと思っています。うーん、数字として目標を出すなら昨期の成績は超えたいですね。チームとしてももちろんより上の順位、優勝を目指します。
 
-シャーレが目の前にあった悔しさが残っている。
 
高宮 優勝がすぐそこにあったようにも見えますが、その差が大きいと考えたりもしたので、日々精進していきたいと思っています。
 
-新しいチームやMリーガーも増えた。注目している選手は。
 
高宮 新規参入のBEASTさんに注目しています。チームが1つ増えるというだけで全体の雰囲気が変わると思いますし、BEASTさんはかなり発信とかも積極的にされているので、明るい活気のある良いチームが入ってきたなという印象です。その中でも中田さんに注目しています。すごく真面目だし、麻雀が大好きで、丁寧に打たれる印象です。赤入り麻雀でどういう風に打つのかも楽しみですし、影響力も大きい方なので、そういうものがどう熱狂に関わっていくのか、楽しみにしています。
 
-BEASTの4人は高宮選手と同じ団体に所属。鈴木大介選手をどう呼ぶ。
 
高宮 大介先生は、そんなにしゃべったことがないので「鈴木さん」と呼びたいですが、Mリーグには鈴木さんが3人居るので、大介さんになるのかな(笑)。
 
-対戦相手として猿川選手は。
 
高宮 猿川さんは大先輩なのでこんなこと言っていいか分からないのですが、日頃のキャラクター性が飄々としているというか肩の力が抜けている印象なので、Mリーグに入ってもそのままでいて欲しいです。個人的に面白いと思っているので(笑)。
 
-表彰式では総括としてマイクを握り、しどろもどろする場面も。今期は優勝して力強くスピーチするか。
 
高宮 優勝した時も私、しゃべらせてもらえますかね(笑)。でも、優勝したら1人ずつしゃべれますもんね。では、それを目標に今期も頑張りたいと思います。
 
-対局後のインタビューもたびたび話題に。どういう心境。
 
高宮 比較的いつも素の状態なんですけど、試合後とか壇上に上がると意識が飛んじゃうんです。試合後は特にダメですね。少し放心状態というか、私なりに神経を使って戦っているので(笑)。
 
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズンを戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。さらに上位4チームがファイナルシリーズに進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)