“ヒーロー”滝沢和典、新参戦のMリーガーたちを真正面から評価「強い人は強い。翻弄されないように」/麻雀・Mリーグ
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 長年、プロ麻雀界の「ヒーロー」として活躍してきたKONAMI麻雀格闘倶楽部の滝沢和典(連盟)。ライバルでもありチームメイトでもある佐々木寿人(連盟)との「タキヒサコンビ」や、高宮まり・伊達朱里紗(いずれも連盟)という女性2選手の活躍もあり、チームは準優勝という好成績を残した。今期は7人のMリーガーが新たに加わり、昨期までとは別の戦いがスタートする。新たなMリーガーに経験十分の滝沢は「強い人は強い」と素直に認め、その上で全力で跳ね返す。

【映像】Mリーグ2023-24シーズン 開幕直前インタビュー

-昨年のレギュラーシーズンは個人としては25位、チームとしては1位。改めて振り返りを。

滝沢和典(以下、滝沢) レギュラーシーズンは本当に振るわない結果に終わりました。僕以外の3選手がみんなプラスだったので、そのポイントがあったからこそ心に余裕を持ち、フォームを崩さずに打てたのかなと思います。チーム自体がマイナスだったら少し焦りも出て、少しブレた可能性はあります。

-Mリーガーを6年もやると、団体戦での戦い方、チームとしての日々の過ごし方もわかってくるか。

滝沢 どうなんですかね。個人的にはそんなに変わらないと思っています。ただ、そのポイントがあったから、かなり気が楽だったのは確かです。そのままファイナルに臨めたので、そこでようやくピントが合ってきたかなと。実際、フォームは少しだけ変えましたが、それが上手くはまった感じです。

-伊達選手、高宮選手が好成績を収めた。2人の姿をどう見ていたか。

滝沢 伊達さんは2年連続であんな好成績で、自分では「出来すぎ」と言いそうな気がしますが、抜群の安定感でした。高宮さんは最初「打ち筋を少し変える。スタイルチェンジしました」と言っていて「大丈夫かな」と思いましたが、かなりはまっていました。対戦相手が見慣れない打ち方に翻弄されたところもあるのかもしれませんが、とにかく頼もしかったです。

-チームで勉強会があると、滝沢選手と佐々木選手が指南役になると思うが。

滝沢 僕の場合は「根本的に違うんじゃないか」と指導することはなくて、良いところは消さずに、なるべく長所が伸びるアドバイスができればなと思っています。

-滝沢選手は今チームで3シーズン目。チームが変化していると感じるところがあれば。

滝沢 あまり感じないですね。ただ、麻雀の対応に関してのコミュニケーションは取りやすくなったのかなと。「ここがブレている」など伝えやすくなっているし、言われた本人も「ありがとうございます」と。そういう気持ちはそれぞれにあると思います。そういうやり取りが的確になってきていると感じています。

-過去は遠慮していた部分があったか。

滝沢 遠慮なのかもしれませんが、本当はどういう人なのかとかをきちんと理解していなかったかもしれない。ただ、これだけ打っているところを見ていれば、自然と良い時と悪い時がわかるようになったので、「あー、何か負けそうだな」というのも、打っている最中に感じるようになりました。戻ってきたらすぐに伝えるようにして、次回の対局に修正して挑みやすくなっているのかと。

-ファイナルで役満・四暗刻をアガった。

滝沢 丁寧に打っていくのがベースにありますが、大雑把に言うと、少しだけ踏み込みを深くといいますか、強めに打つことを意識しました。

-対局を振り返った時に「あまり踏み込めていないな」という実感があった。

滝沢 そうですね。手牌が伴っていなかったのも大きいですが、僕とやっている時、相手はきっと怖くなかったと思うんです。対処しやすいというか。ただ、僕がきつい牌を打つと、それなりの評価をしてくれる人が多いので、「急に変えたらびっくりするだろう」とは思っていました。でも本当、わずかな差で、微妙なところで押す選択にしました。対局後に牌譜を見た瞬間にバレてしまいますが、「何か変えてきているな」と感じた人は多いと思います。

-新たに入ったチームとメンバーについて。BEAST Japanextの印象は。

滝沢 鈴木大介さんも猿川さんも、かなりトリッキーな打ち手なので、翻弄されないようにと思っています。中田さんと菅原さんに関してはデータは見ていて、オーソドックスなタイプというイメージですが、Mリーグとルールが異なるものしか見ていないので、また印象が変わるかもしれません。

 チームカラーみたいなものがここから出てくると思うので中田さんと菅原さんはそれに寄せた打ち方をしてくるかもしれないですし、始まってからもう1回、整理しなければならないことはあるのかなと。

-鈴木大介選手でいえば将棋と麻雀の二刀流。長年、麻雀プロとして活動している身としては意地みたいなものは。

滝沢 僕個人としては「強い人は強い」という考えですが、同じプロの仲間には「負けてほしくない」と声を掛けられました。そういう人たちの声も背負って対局に臨みたいと思います。

-セガサミーフェニックスに醍醐大選手、赤坂ドリブンズに浅見真紀選手、渡辺太選手が加入した。注目しているのは。

滝沢 ドリブンズの渡辺さんです。ネット麻雀でとんでもない成績を残していますよね。アサピン(朝倉康心)でもすごいと思っていたのに、アサピンよりすごいんじゃないかと言われているので、マークせざるを得ないかな。ただ、赤入り麻雀のデータはゼロなので、現状、研究するということはしていないです。

-ネット麻雀でズバ抜けた成績をどう見ている。

滝沢 とにかく麻雀が好きですよね。そしてよくそんなに集中力が途切れずに戦えているな、と。僕の周りのネット麻雀の強い人はそうですが、軽い気持ちで対局に入らないんですよ。例えば電車の中ではやらない。僕は少し長い距離を走る電車に乗ると、やってしまいますが、彼らはしっかり対戦する環境を整えてから勝負しているんです。

 膨大な時間を費やしているでしょうし、基礎がしっかりしていると思います。困った時の自分の打ち方というのもあるんじゃないかなと。

-今シーズンの個人の目標とチームの目標は。

滝沢 チームとしては、準優勝と悔しい思いをしたので、優勝したいですね。個人としては序盤はみんなに助けられて、迷惑をかけた立場なので、ざっくり+200ポイントを目指したい思っています。こればかりは、やってみないとわかりませんが。

-今期は前年度優勝の渋谷ABEMASをマークするのか。

滝沢 それはないですね。ここまで5年間、優勝チームがコロコロ変わっている感じなので。ABEMASが調子良ければマークすると思いますが 序盤はともかく負けないように。まず、それが第一です。あとは新規選手が7人いますから、そこに翻弄されないように。そういうことを考えています。

◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズンを戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。さらに上位4チームがファイナルシリーズに進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)

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Mリーグ 配信情報まとめ
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