将棋日本シリーズJTプロ公式戦の2回戦第3局が9月16日、香川県高松市の「サンメッセ香川」で行われ、渡辺明九段(39)が佐藤天彦九段(35)に141手で勝利した。この結果、渡辺九段は準決勝進出が決定。次戦は11月3日に愛知県名古屋市の「ポートメッセなごや」で、豊島将之九段(33)対糸谷哲郎八段(34)戦の勝者と決勝進出をかけて戦う。
名人経験者同士による注目の一戦は、渡辺九段が白星を飾った。振り駒の結果、先手は渡辺九段に。後手の佐藤九段は「やってみようと思っていた」という三間飛車の作戦から、相穴熊へと進行した。後手の角引きの渡辺九段がタイミングで歩を突きだすと、戦機をとらえてペースを掌握。快調に攻め出してリードを拡大させた。
駒得を重ねていく渡辺九段に対し、後手の佐藤九段は苦しい時間が続く。渡辺九段は「戦型は予想外だった」と語ったが、安定した指し回しで追い上げを許さず一貫して数の勝負へと持ち込むと、そのまま押し切って快勝を飾った。
勝利した渡辺九段は「うまいタイミングで仕掛けられたので、良い展開になったのかなと思う」とコメント。2回戦で敗退となった佐藤九段は「仕掛けられた時の対応がわからなくて、早く段階で差が付いて悪くしてしまって残念だった。指し慣れなさが出てしまったことに反省」と一局を振り返った。
この結果、渡辺九段の準決勝進出が決定。次戦は11月3日に愛知県名古屋市の「ポートメッセなごや」で、豊島九段-糸谷八段戦の勝者と決勝進出をかけて戦う。
JTプロ公式戦は前年覇者、タイトルホルダー、賞金ランキング上位者から12人が選出されるトップ棋士たちによるトーナメント戦。持ち時間は各10分、切れたら1手30秒未満、各5分の考慮時間。
(ABEMA/将棋チャンネルより)