日本の伝統料理“おせち”、実はロシア頼み? ひろゆき氏「依存しないと維持できないようならもう伝統ではない。変えるなり壊すなりしたほうがいい」
【映像】ローストビーフや鴨ローススモーク おせち“新食材”の意味
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 残暑が続く中、早くも始まったおせち商戦。今年も各百貨店がしのぎを削り、渾身のおせちを展開中だが、ある問題が起きている。

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 それが、ロシア産の扱い。いまだ続くロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシア産の食材を使った商品が広告掲載NGになるケースも。実はサーモンをはじめ、数の子、いくらなど、おせち料理の定番にはロシア産も使われているため、影響を受ける可能性があるのだ。

 果たして、日本の食文化“おせち料理”はどうなってしまうのか。15日の『ABEMA Prime』で考えた。

■なぜロシア産のサーモンを使う?

 株式会社オージーフーズ広報担当の嶋添一泰氏は、ロシア産の食材が入ってこなくなった時の影響は「大きい」と話す。「提供する商材が限られてくる心配はしている。今までサーモンならロシアあるいはアラスカなど産地が分散していたものが、ロシア産がなくなれば全体の数が少なくなる。需要と供給のバランスで当然値段も上がってくる」。

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 現状、おせちの内容を見直す議論は出ていないそうだが、同社がロシア産のサーモンを使う理由として、輸入量が多く仕入れが安定していること、脂がのっていておいしいこと、鮮やかな紅色が映えること、があるという。

 サケ類研究の第一人者である帰山雅秀・北海道大学名誉教授は、温暖化の影響でサケの稚魚の成長する環境が悪化し漁獲が減った一方で、ロシアは水温が上がり稚魚が成長できる環境が整ったことで漁獲が増えたとみている。

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 嶋添氏は「おせちに限らず、例えばこれまで穫れていたイカが獲れなくなるとか、それに伴って値段が上がることはとても心配している。販売価格が極端に上がってしまうと、おせち離れが起きることも懸念され、そこのバランスは毎年苦労しているところ。一方で、おいしさもキープしなければいけない」と明かした。

■専門家「おせちもピントがズレてきている」

 そもそも、おせちはどのような発祥なのか。おせち料理・行事食研究家の小宮理実氏は「一般庶民に広がったのは江戸時代だと言われていて、現在のようなスタイルになったのは昭和に入ってから。1920年代に百貨店が販売おせちというものを出してから、一気に広がった。おせち料理は日本全国で郷土色が強いものでもあり、そこが良さだったりもする。ただ、食品の流通の流れで均一になってきてるところは否めない」と説明。

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 おせちの「祝い肴三種」には、「黒豆」(マメに働けるように)、「数の子」(子孫繁栄)、「田作り」(豊作)という願いが込められている。小宮氏は「おせち料理は精神性がこもった食事だ。三つ肴は生きていく上での基本的なことが含まれているので、それだけは絶対食べて日本の文化を残していくべきだと考えている」との考えを述べる。

 ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「お正月におせちを食べるという日本の伝統文化の中で、昔はカニやサーモンは入っていなかったと思う。なので、最近入れたものが“ロシア産だから駄目なんだ”と言われても、そもそもおせちではないのではないか。ロシアに依存しないと維持できないようならもう日本の伝統ではないので、変えるなり壊すなりしたほうがいいと思う」と指摘。

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 小宮氏は「飽食の時代にのまれて、おいしさが重要視されるようになってから、おせちもピントがズレてきているなと思う。昔は、豊作で取れたものをうまく活用して作られていたが、逆に今は食材の値段が上がりなかなか手が届かなくなってきている。大切にしないといけない“謂(いわ)れ”はきちんと残しながら、見合った商材で文化を繋いでいくほうが、無理がなくていいと思う」と述べた。

 サーモンを外すと売れなくなってしまうのか? 嶋添氏は「定番のものは必ず残す」とした上で、「以前は大人が食べていたイメージがあったと思うが、今はご家族皆さんが召し上がるおせちを作らないと売れない。ここは1つポイントとしてある」と答えた。

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 小宮氏は「販売されているおせちはすごく雅できれいだが、家庭で継承されているおせちは茶色くてそんなに華やかなものではない。できる範ちゅうで、“今年も家族で1年幸せに過ごそうね”という儀式的要素で召し上がっていただくものであってほしい」と呼びかけた。(『ABEMA Prime』より)

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