<大相撲九月場所>◇十三日目◇22日◇東京・両国国技館
快進撃を続けていた前頭十五枚目・熱海富士(伊勢ヶ濱)が、大関・貴景勝(常盤山)に寄り切りで敗れて3敗に後退した。これで幕内優勝争いは熱海富士と貴景勝が3敗で同列トップに並び、4敗の力士にも可能性が浮上。大混戦の様相を呈してきた九月場所に、ファンも「大関の意地みせた」「まだ熱海ちゃん可能性ある!」と盛り上がった。
現役の大関が“番付”を見せつけた結果となった。十一日目まで1敗を守って単独トップに立ち、九月場所の“台風の目”となっていた出場力士中幕内最年少21歳の熱海富士。快進撃を続けていたが、十二日目に関脇・大栄翔(追手風)が立ちはだかり2敗へと後退。一方、星1つの差で追いかける貴景勝は3敗を死守していた。
十三日目に直接対決を迎えることとなった両者。ここで白星をもぎ取れば優勝の可能性が一気に高まる熱海富士だったが、立ち合い強烈な当たりに耐えて前に出るも、いなした貴景勝に体を入れ替えられるとそのまま寄り切られて黒星を喫した。これで熱海富士と貴景勝は10勝3敗で優勝争いのトップタイに並んだ。
好調の若手力士に対して番付の差を見せつけるように快勝した貴景勝。勝負が決すると、ABEMAで実況を務めていた藤井康生アナウンサーは「さすがに大関です!」「短い時間でしたが、大関の意地を見ました」と大興奮。さらに藤井アナが「立ち合いは互角に見えましたが……?」と話を振ると、同じく解説を務めた元大関・豪栄道の武隈親方は「むしろ熱海富士の方が押し込んでいた。そのあとは、やはり貴景勝の相撲の巧さが出ましたね。最後は意地もあったのだと思います」と説明。続けて「大関に対して当たり負けはしなかったのでそこはすごく収穫かなと思いますね」と、敗れはしたものの熱海富士の実力も評価していた。
貴景勝が熱海富士を下すと、ABEMAの視聴者からも「さすが大関!」「大関の意地みせた」「大関が強いと安心する」「番付の差ってデカイなぁ」「やっぱカッコいいわ」と興奮の声が殺到。敗れた熱海富士にも「当たりが互角すご」「大関を下がらせたぞ熱海富士」「まだ熱海ちゃん可能性ある!」とコメントが相次いでいた。
なお十三日目の取組では、前頭七枚目・高安(田子ノ浦)が敗れて4敗に後退。優勝争いは3敗の貴景勝と熱海富士がトップに並び、4敗で高安のほか、大栄翔、前頭十枚目・金峰山(木瀬)、前頭十一枚目・北青鵬(宮城野)が追いかける波乱の展開となった。(ABEMA『大相撲チャンネル』)