将棋の永瀬拓矢王座(31)に藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、21)が挑戦する、第71期王座戦五番勝負が名古屋市の「名古屋マリオットアソシアホテル」で第3局の対局を行っている。永瀬王座は対局前日にABEMAのインタビューに応じ、勝負所の本局へかける思いを語った。
現在4連覇中で、防衛で「名誉王座」獲得を目指す永瀬王座。今期は“最強の挑戦者”の藤井竜王・名人を迎えて五番勝負を戦っている。開幕局は後手番で藤井竜王・名人を圧倒し好スタートを切ったものの、続く第2局では相入玉模様の長手数の一局に敗れて、通算成績は1勝1敗に。第3局は「勝負所を迎えているのかなと思っています」と険しい表情をのぞかせた。
全国各地を転戦して行われているシリーズで、第2局は港町・神戸で対局が行われた。「タイトル戦は各地で場所を提供していただいていますので、汽笛だったり風の音だったりイレギュラーなことは発生しますが、対局者は慣れている人が多いのでそれも含めてタイトル戦のひとつなのかなと思っています。なかなか(船の)汽笛を止めることは難しいので、東京の将棋会館や関西将棋会館では味わえないイレギュラー性がタイトル戦の一部なのかなと思っています」と語り、普段とは違う環境も楽しんでいるようだ。
本局は、藤井竜王・名人の“ホーム”でもある愛知県で行われる。対局が行われる名古屋は独特の食文化も魅力の地とあり、勝負メシにも大きな注目が集まっている。「名古屋に来た時には駅できしめんを毎回食べています。今まで味噌煮込みうどんは食べたことがないので、一生のうちに一度は食べてみたいです。ひつまぶしなど、美味しいものが多いのが名古屋なのかなと思っています」と本局での昼・夕食のオーダーにも期待が高まる。
しかし、永瀬王座は「対局の時は何も考えなくていいカレーにすると思いますとピシャリ。「味噌煮込みうどんは帰りに食べる気分になったら…たぶんならないんじゃないかなと思います(笑)」と笑い声を上げる場面もあった。
名誉王座か、全冠制覇か。本局の勝者は大偉業に“王手”をかけることとなるとあり、一瞬たりとも目が離せない戦いとなることは間違いない。「改めて三番勝負という形になりましたが、1局目とは違って先後が決まっていて、本局は後手番となります。とても厳しいと思いますが、一生懸命頑張りたいと思います」と口を真一文字に結んでいた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)