この鳴きはまさに悪魔の所業だ。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2023-24」10月5日の第1試合。TEAM雷電・萩原聖人(連盟)がオーラスに仕掛けを入れたところ、放銃牌がU-NEXT Pirates・鈴木優(最高位戦)の手に渡り、萩原は放銃回避、鈴木優はラスに転落する悲劇に見舞われた。
南4局、4着目に沈んでいたKONAMI麻雀格闘倶楽部・滝沢和典(連盟)が偶然役次第では倍満、逆転でトップになるチャンス手の七対子でリーチ。待ちは二万だ。これに対して親の鈴木優は仕掛けてテンパイを目指す。そこへ2着目の萩原がテンパイ取りを目指して、8筒をチー。テンパイで終われば、すでにオリているセガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)をテンパイ・ノーテンでマクり、トップ目で次局を戦うことができる。
萩原のチーで鈴木優は有効牌を引きテンパイ。そして打ち出された6索を萩原はポンして、役はないが立派なテンパイだ。このまま流局か、それとも誰かのアガリが出るか。ファンが注目する中で、さらに選手の手牌は動く。切る牌に困った魚谷が3索を選ぶと、もうツモりたくない萩原が小考してチー。これで萩原は危険牌を掴むことなく、流局テンパイを目指すことができる。しかしこの鳴きの結果、ハイテイ牌にいた二万が鈴木優に送り込まれ、ツモ切った鈴木優は跳満を放銃となった。
マンズは場に安くなっており、萩原がもしハイテイを掴んでいた場合は放銃していた可能性が高い。機転を利かしたチーの結果、萩原はラス転落を回避した。
この幕切れにファンは大興奮。「ハギーのキラーパス」「なんというドラマ…!ハギーの鳴きが全てを狂わせた…!!!」「ハギー天才かよ」「ハギーないすぅ!!!」「ハギーうますぎ!!」と“ハギー”の大合唱だ。放銃牌を送り込む“悪魔のチー”で完璧な危機回避。これにより萩原は2着でポイントを持ち帰ることに成功した。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)