派手な手をアガったわけではない。しかし僅差の勝利も“戦闘民族”の戦いの一つ。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2022-23」10月9日の第2試合はU-NEXT Pirates・鈴木優(最高位戦)がトップ。玄人好みの展開にファンは「ようやく報われた」「優さん不運の中凄すぎる」「あの苦しい手牌からよく勝ち切った!」と次々に賛辞を寄せた。
開幕からこれまで、悔しい試合が続いている鈴木優。5日の第1試合ではオーラスの親番でテンパイしたものの、下位のプレーヤーへまさかの跳満放銃でラスに転落していた。挽回を期すこの試合、起家からKADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾(協会)、鈴木優、赤坂ドリブンズ・浅見真紀(最高位戦)、BEAST Japanext・菅原千瑛(連盟)の並びで始まった。
東3局2本場に2000点(+600点、供託1000点)をアガったきり、鈴木優になかなかアガリが見込めそうな手は訪れない。リーチにこぎつけることができない中で、鳴いてテンパイをきっちり取っていく。また相手のリーチに対しては丁寧に対応し、オーラスを迎えて鈴木は堀と微差の2着目。親の菅原が3局粘り連荘し、迎えた同3本場。鈴木優は3つ仕掛けて3筒単騎待ちのテンパイ。菅原から出てタンヤオの1000点(+900点、供託2000点)を獲得。最高打点は結局、東3局2本場に得た2000点。わずか2度のアガリで今期初トップを手に入れた。
試合後、鈴木優は「気持ちいいアガリというか、トップを決めるようなアガリはなかなか全然出なくて、地味な、細かいところで(稼ぐ)という戦いだったんですけど、なんとか最後アガることができましたね」。リポーターから2度のアガリについて聞かれると「500・1000と、あとなんでしたっけ?」と肝心のオーラスを忘れてしまっているなど、その興奮ぶりや疲労感もにじませた。
それでもオーラスの思考については鮮明に語り、その正確さや記憶力には「ちゃんと読めてるなあ、すごい」「さすがやなこれがプロだ」「いつも思うけどなんで全部覚えてんだ?」と驚きの声が多数寄せられた。
この日はチームが控え室でファン限定の配信をしており、そのファンに捧げるトップを喜んだ。仲林圭(協会)もすでに今期勝利を挙げており、“UKコンビ”の航海は順調だ。「初勝利は待ち焦がれていた(ので嬉しい)!」と笑顔で語った鈴木優、今期も自信満々で舵を取ってくれるだろう。
【第2試合結果】
1着 U-NEXT Pirates・鈴木優(最高位戦)3万2000点/+52.0
2着 KADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾(協会)2万8800点/+8.8
3着 赤坂ドリブンズ・浅見真紀(最高位戦)2万5600点/▲14.4
4着 BEAST Japanext・菅原千瑛(連盟)1万3600点/▲46.4
【10月9日終了時点での成績】
1位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +358.7(10/96)
2位 TEAM雷電 +133.1(12/96)
3位 赤坂ドリブンズ +88.8(12/96)
4位 U-NEXT Pirates +47.6(12/96)
5位 KADOKAWAサクラナイツ ▲54.9(12/96)
6位 渋谷ABEMAS ▲97.7(12/96)
7位 セガサミーフェニックス ▲130.0(10/96)
8位 EX風林火山 ▲168.7(12/96)
9位 BEAST Japanext ▲176.9(12/96)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)