将棋の藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、21)が10月11日、王座戦五番勝負第4局で永瀬拓矢王座(31)に勝利、3勝1敗で王座獲得に成功し、8つのタイトルを独占することに成功した。史上初となる「八冠」の誕生だが、藤井竜王・名人は、本局がタイトル戦での80局目。挑戦、防衛で1度も失敗することなく、デビューから約7年で頂点まで駆け上がった。
藤井竜王・名人は2020年7月にヒューリック杯棋聖戦五番勝負で、当時の渡辺明棋聖からタイトル奪取に成功。自身初のタイトルを史上最年少、17歳11カ月で獲得した。ここから王位、叡王、竜王、王将、棋王、名人の順で獲得すると、道中はタイトル防衛にも成功しながら、ついに最後の1つとして残っていた王座も獲得。ついに前人未到の大記録を打ち立てた。
過去、全冠制覇を成し遂げた棋士は3人で、1人目は升田幸三実力制第四代名人で、三冠独占。2人目は大山康晴十五世名人で三冠、四冠、五冠と、タイトルが増えても独占していった。3人目は七冠独占を果たした羽生善治九段(53)で、1996年2月のこと。叡王戦が2017年度にタイトルに昇格し、全8タイトルになってからは、独占する棋士は出ていなかった。
四段昇段、デビュー直後から29連勝を成し遂げるなど、1年目から高勝率を維持し続けており、現在も通算勝率では8割を超えているが、タイトルを争う番勝負でも、その数字を維持。八冠達成が80局目を数えたが64勝16敗となり、タイトル戦に限っての勝率もちょうど8割となった。
(ABEMA/将棋チャンネルより)