ようやく手にした初勝利に感慨の涙だ。「大和証券Mリーグ2023-24」10月19日の第2試合、赤坂ドリブンズ・渡辺太（最高位戦）が、自身5戦目で今期初トップを収め、勝利が決まった瞬間、思わず目を潤ませる一幕があった。
今期からMリーグの舞台に参戦した渡辺は“ネット麻雀の神”とも呼ばれる。リアル麻雀のプロになったのは今年の2月だが、周囲からはネットもリアルも関係ないほど、高い雀力の持ち主だと評価される。実際、開幕前はMリーガーの各選手から「強い」という声があがっていた。
しかし、そんなネット麻雀の神も初勝利を掴むまで簡単ではなかった。「半荘数で言えば2万とか3万は打ってきた」と、想像を絶する時間を麻雀に費やしてきた渡辺だが、一気にMリーグのような舞台まで駆け上がり、注目を集める中で、不慣れな点もあったことだろう。
この試合は起家からTEAM雷電・萩原聖人（連盟）、渡辺、渋谷ABEMAS・多井隆晴（RMU）、セガサミーフェニックス・魚谷侑未（連盟）の並びでスタート。渡辺は東1局、多井の先制リーチに満貫を放銃。しかし次局、渡辺は1万2000点をアガり、失った点棒を取り戻し、さらにリードした。東4局2本場、今度は萩原から1万2000点（＋300点、供託2000点）をゲットし、トップ目に立った。
南1局1本場では、多井、萩原との3軒リーチ。ここで渡辺はリーチ・ツモ・タンヤオ・平和・赤・ドラ2、この日3度目の1万2000点（＋300点）を決めた。その後はリードを保つためにリーチを封印。魚谷の反撃もあったが、しっかりと抑え、嬉しいデビュー初トップを手に入れた。
オーラスを終えた瞬間、渡辺は込み上げるものがあったのか、近くに置いていたタオルを顔にあて、初勝利を噛み締めた。この表情を受け、実況の日吉辰哉（連盟）は「ちょっと目が潤んでませんか？」と伝えつつ、「太はこれまで恐らく、何百、何千、何万のトップを取ってきた中で、これだけ苦しいトップはひょっとしたら初だったかもしれない」と推測。解説席に座ったEX風林火山・二階堂瑠美（連盟）も「怖かったんでしょうね、多井さん（とのデットヒート）。魚谷の8000オールも、強烈でしたから」と渡辺の心情を推測っていた。
この勝利に感動を覚えた視聴者からは「俺も泣きそう」「これは推せる」「おめでとう！」「もらい泣きしてしまった」「ふとしかわいいなおい」などのコメントが寄せられていた。
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合（全216試合）を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合（全30試合）を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ（16試合）に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
