不運にめげず、耐えた末に渾身の一発ツモが待っていた。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2023-24」10月20日の第1試合はEX風林火山・勝又健志（連盟）がトップ。すでに今期3ラス、よもやのマイナス3ケタに沈んでいた軍師がオーラスに逆転手を実らせた。
この試合は東家からBEAST Japanext・菅原千瑛（連盟）、KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎（連盟）、U-NEXT Pirates・瑞原明奈（最高位戦）、勝又の並びで開始。瑞原が快調にアガリを重ね、勝又は後方から追う展開。東4局1本場の親番、勝又は1・4・7索待ちのチャンス手をリーチ。しかしこれが内川の南単騎待ちの七対子に敗れてしまう。放銃の時点で残り枚数は6対1という圧倒的有利からの不運。しかし嘆いても仕方ない、勝又は南場に挽回を期す。
最後の親番、南4局1本場はリーチでまず内川から2000点（＋300点、供託2000点）のアガリ。さらに同2本場、赤5索を切り飛ばし、中盤にペン7索でリーチだ。ソウズを早めに切っている選手が2人、赤5索切りの迷彩もあり、出アガリの可能性も見込めるこの策は、一発ツモという最高の結果となった。リーチ・一発・ツモ・赤・裏ドラの1万2000点（＋600点）で一気にトップ目へ。解説を務めていた元U-NEXT Pirates・石橋伸洋（最高位戦）は「うわあああああ！」と絶叫。実況の松嶋桃（協会）も「このチャンス、モノにできますか！？丁寧に仕上げた4000は4200オール！」と驚くばかり。こうなれば勝又のゲーム回しは間違えない。同3本場は内川のアガリを見送って、トップで終了した。
久しぶりのトップにインタビューでは「はい、まあ嬉しいです」と淡々とした様子。それでもいつもより口角が上がり、オーラスの逆転劇もあってか頬は上気していた。ファンから絶大な信頼を得る“軍師”が復調。「勝又さん負債返済や」「謙虚なかつまた」「復活の兆し」と今後の戦いに期待を寄せる声も多数寄せられた。
最後に勝又はファンへ「今日トップを取れたことは嬉しいですけど、チームは僕ばっかり足を引っ張って、まだマイナスが3ケタある状況なので、1回のトップで喜ぶことはなく、2回3回と続けて巻き返していきたいと思います。引き続き応援よろしくお願いします！」と意気込みを語った。当面の目標はマイナスの返済だが、さらに策が決まるようになれば、昨期のような快進撃も十分に期待できる。ファンからは「これで乗って行けるといいね～」「勝又先生、ありがとうございました」「勝って兜の緒を締める！！」と声援が立て続いていた。
【第1試合結果】
1着 EX風林火山・勝又健志（連盟）3万2400点／＋52.4
2着 U-NEXT Pirates・瑞原明奈（最高位戦）2万9800点／＋9.8
3着 BEAST Japanext・菅原千瑛（連盟）2万1100点／▲18.9
4着 KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎（連盟）1万6700点／▲43.3
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合（全216試合）を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合（全30試合）を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ（16試合）に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
