不振のどん底だった仲間が決めた一発に“お母さん雀士”も、しみじみしながらひと安心だ。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ」10月27日の第1試合で、個人成績が36人中最下位とどん底状態だった赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(最高位戦)が出場。結果は2着に終わったが、道中で見せた大きなアガリに、チームメイトの浅見真紀(最高位戦)が「こういうの、久しぶりだねぇ」としみじみ語るシーンがあった。
多くのプロ、ファンが実力者と認めるたろうだが、今期はMリーグに参戦して以来、最大の不振。出場すれば箱を割るラスを引くという状態で、トレードマークでもあるニコニコとした笑顔が出る機会は、どんどんと減っていた。それでも不振からの脱出は自ら切り開くしかないのが麻雀の世界。この日は長年戦ってきた多井隆晴(RMU)をはじめ、TEAM雷電・萩原聖人(連盟)、U-NEXT Pirates・鈴木優(最高位戦)というハードな卓で奮闘を目指した。
するとチャンスが到来したのは東2局。5巡目にテンパイし三・六万待ちのリーチをかけると、3巡後に六万を引いてツモアガリ。リーチ・ツモ・平和・赤・ドラの8000点で、トップ目に浮上した。
これまでリーチをかけてもアガれず、追っかけてきた相手に振り込むというような不遇が続いていたたろうだけに、このアガリにはホッと一安心したはず。すると控室で見ていた浅見、さらには渡辺太(最高位戦)も手を叩いて喜んだ。また浅見は「よいしょー」と声を出した後「なんか、こういうの久しぶりだねぇ」と渡辺に向かってしみじみした言葉。2人は今期からチームに参戦した新戦力ではあるが、喜びと悲しみをともにした時間も徐々に増え、すっかりチームとなっていることがわかるシーンとなった。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)