【スーパーフォーミュラ】第8戦(決勝・10月28日/鈴鹿サーキット)
日本最速を競うレースで起きた稀に見る大きなクラッシュに波紋。マシンがスポンジバリアの向こう側にあるフェンスにまで到達した衝撃のアクシデントは、安全性の担保も含めて大きなインパクトを残した。
スーパーフォーミュラ第8戦の決勝4周目、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)と大津弘樹(TCS NAKAJIMA RACING)は、鈴鹿の高速コーナー『130R』で接触。マシンやスポンジバリア、フェンスをも大きく破壊するほどの大クラッシュを喫した。
17番手争いをしていた両車は、『130R』で大津が笹原のインに入ると、笹原がステアリングを切り込んだ際に接触。そのまま両車はほぼ減速することなく、スポンジバリアとフェンスに激突した。この接触に関しては、笹原の危険なドライブ行為とみなされ、レース後にペナルティが科された。
クラッシュのリプレイ映像を見て、解説でレーシングドライバーの中山雄一氏も「どういう当たり方するとあそこまで飛ぶのか……」と困惑した様子。特に笹原のマシンは、前後で真っ二つに割れる形になっており、さらにモノコック部分はクラッシュの衝撃でフェンスを越え、デグナー側へと落ちてしまった。
中山氏は、ドライバーの安否を気にしつつも、「人間が乗っているところは強度が高く作られ、逆にそのまわりは緩衝材になっていて、それが壊れることによって、中にいるドライバーへの衝撃を抑える役割があるので、ある程度は壊れてくれたほうがいい」とコメント。こうしたマシンの設計もあってか、幸いにも大津と笹原には意識があり、今後精密検査は必要ではあるものの、現状では骨折などの大きな怪我は見られないとのこと。一方で、年々高速化が進むマシンとサーキットの安全性を改めて考えさせられるアクシデントとなった。
今はとにかく両ドライバーが早く元気な姿で戻ってきてほしいと願うばかりだ。
(ABEMA『スーパーフォーミュラ2023』/(C)JRP)