“別府ひき逃げ事件“で重要指名手配されている八田與一容疑者(27)に殺意はあったのか。「一般道」「軽自動車」「時速90キロ超」という3つのキーワードから、事故直前の八田容疑者の行動について検証する。
【映像】「ひき逃げ事件」シミュレーション動画
2022年6月29日、大分県別府市の県道で信号待ちをしていたバイク2台に法定速度を大幅に超えた軽自動車が追突。男子大学生2人が死傷した。軽自動車を運転していた八田容疑者はその場から逃走、警察庁は今年9月8日付で、道交法違反で全国初となる「重要指名手配」に指定し行方を追っているが、いまだ足取りは掴めていない。
八田容疑者は事件が起こる前、現場近くのショッピングモールで死亡した男子大学生(当時19歳)に一方的に言いがかりをつけてトラブルとなっていたことが分かっている。
検事を4年務めた西山晴基弁護士は「トラブルが起きたところから衝突現場までの距離の短さと、走行速度を考えたときに、明らかにずっと追いかけてアクセルを踏み続けてぶつかった状況というのは、殺意を推認させるひとつの事情になってくる」と話し、どの地点で加速したのかが殺意を推測できるポイントだと指摘した。
八田容疑者は法定速度の倍以上の速度、時速90キロを超えるスピードで追突したとみられている。では八田容疑者はどの地点から車を加速させたのだろうか。
現場を地図で確認してみると、八田容疑者が軽乗用車を走らせたショッピングモールから事件現場の交差点までは緩やかな右カーブを抜け、カーブの出口から交差点まではおよそ150メートル。
元宮城県警交通課で交通事故鑑定人の佐々木尋貴氏が作成したシミュレーション動画によると、カーブ出口で法定速度の時速40キロの状態からアクセルを強く踏み込んだ状態で加速していくと、事故を起こした交差点で時速およそ90キロに達することがわかった。
時速40キロから90キロに到達するには180メートルの距離を要し、およそ10秒かかることが分かり、交差点直前で踏み間違えて加速した可能性は考えにくいという。
佐々木氏は「速度を出すという面に関して、間違いなく運転手の意図が働いていたと思う」とコメント。自動車ジャーナリストの西村直人氏も「意図的に速度を上げているということは容易に想像できる」としたうえで、「恐怖を上回るような興奮度合いとか、アドレナリンが出て攻撃的な脳になっていれば、見境なくなる。車の性能は関係なく、感情をコントロールができないが故に発生してしまった不幸な事故であると思います」と話した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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