将棋日本シリーズJTプロ公式戦の準決勝第2局が11月3日、愛知県名古屋市の「ポートメッセなごや」で行われ、糸谷哲郎八段(35)が渡辺明九段(39)に120手で勝利した。この結果、糸谷八段は自身初の決勝進出を決め11月19日に行われる一戦で前年優勝者の藤井聡太JT杯(竜王、名人、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)と激突する。
3年連続6回目のJT杯出場となった糸谷八段が、初の決勝進出を決めた。注目の一戦は、振り駒の結果で渡辺九段の先手番に。角換わりの出だしから、後手の糸谷八段が3筋に金を上がる趣向を見せ力戦へと発展した。糸谷八段は独創的な作戦をぶつけたが、難解な中盤戦では激しいねじり合いに。二転三転の大熱戦で糸谷八段が果敢な攻めを実らせ、白星をもぎ取った。
勝利した糸谷八段は「桂交換から始まった将棋だが、玉が薄くてずっと自信がなかった。最後は偶然詰みがあり何とか面白い将棋にできたなかと思う」とコメント。一方、準決勝で敗退となった渡辺九段は「中盤から難しくていろいろな手があったと思うが、駒損からスタートしてしまったのでその分ちょっとずつ苦しかったのかなと思う」と語った。
この結果、糸谷八段の決勝進出が決定。11月19日に東京都江東区の「東京ビッグサイト」で行われる決勝戦では、初優勝を目指して藤井JT杯と頂点を争う。
JTプロ公式戦は前年覇者、タイトルホルダー、賞金ランキング上位者から12人が選出されるトップ棋士たちによるトーナメント戦。持ち時間は各10分、切れたら1手30秒未満、各5分の考慮時間。
(ABEMA/将棋チャンネルより)