＜大相撲十一月場所＞◇三日目◇14日◇福岡・福岡国際センター
三段目七十九枚目・谷口（二所ノ関）と三段目七十八枚目・香富士（春日野）の一番が、4分を超える長時間の熱戦となり、審判団の判断により水入りに。合間に一番入れた後に取り直しとなるレアなシーンが発生した。
体型が似ている両者の一番は、すぐに胸が合って右四つに。お互いじっくりと攻めの糸口を探るようにまわしを狙ったり、じりじりと寄ったりしてみたが、なかなか決め手が見つからないまま、時間がどんどん経過していった。ただ、動いていないように見えても、力士たちは組み合っているだけで確実に体力を消耗する。次第に行司の「残った」という声と、両力士の荒い気遣いが交互に聞こえるような、体力の削り合いになった。
どちらも譲れない一番は、徐々にまわしもほどけ気味になり、先の見えない展開に進んでいったが、なんとか決着をつけようと頑張る姿に館内からは何度も健闘を称える温かい拍手。それでもお互い、がっちりと両まわしを引いて五分の状況が続くと、時間はついに4分を超えた。ここで審判団の時計係を務めていた元横綱・稀勢の里の二所ノ関親方が合図を送り、これに元前頭・敷島の浦風親方が気づいて、行司に伝達してついに水入りとなった。
死力を尽くした両力士に対して、館内からは大きな拍手が送られると、行司から取り直しを告げられて、一旦は土俵下へ。当初は二番後とされていたが、一番後に再度、取組が行われた。
（ABEMA／大相撲チャンネルより）
