ネットで驚異的な成績を残した風雲児が、ここMの舞台にもようやく慣れてきた。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2023-24」11月16日の第2試合は赤坂ドリブンズ・渡辺太（最高位戦）がトップ。試合後は「ここから積み上げたい」と今後の試合に向けて意欲を見せた。
試合は起家から渡辺、KONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗（連盟）、U-NEXT Pirates・鈴木優（最高位戦）、BEAST Japanext・菅原千瑛（連盟）の並びでスタート。渡辺は東場、2度のリーチは空砲も、放銃はせずに南入した。
南1局の親番、ここで渡辺はチャンスを掴む。赤入りの七対子をダマテンでツモり、9600点のアガリを決めてトップ目に立つ。さらに同1本場、今度は仕掛けてライバルへプレッシャーを与え、タンヤオ・三色同順・赤・ドラの1万2000点（＋300点）をツモ。いずれのアガリも肩に力が入った様子など微塵もなく、これまでネット麻雀で何万回とアガってきたチャンス手をこの舞台でも冷静に決めた。
南2局は積極的に3つ仕掛け、伊達から5200点をアガってダメ押し。南4局はひっそり満貫のテンパイを入れ、1人テンパイで流局する完勝劇。個人2勝目を手に入れた。第1試合で赤坂ドリブンズ・園田賢（最高位戦）がオーラスにマクられる悔しい2着、それを晴らすようなトップでチームも大きく躍進だ。
インタビューで渡辺は「最初のトップから次までなかなか遠かった」とここまでの苦労を思い出し、またこの日の内容は「親番でアガれたのが大きかった。やっと2勝目できて安心しました」と南1局の連荘をキーポイントとして、大物手ゲットに晴れやかな笑顔を見せた。
南1局の親満貫は結果と反して「今までの自分の試合で一番内容が悪かった局」とした。その理由に菅原のマンズの混一色仕掛けに押せなかった四万を挙げて「四万はあの形はほぼ当たらない。かなり対々和だと思っていて、四万が当たるとしたらもともとテンパってたことになる。五万ポン・打六万っていう仕掛けなので」と説明。事実、菅原は対々和だが待ちは2筒と九万で、四万は手牌に関連しないテンパイだった。「弱気になってしまって『対々和が付けば打点が上がるから仕掛けた』っていうのが一瞬頭をよぎってしまった」と加えると、この記憶力、そして抜群の読みにファンから「さすが新人No.1」「すぐ反省できるところが強さ」「素晴らしい反省だ」と感嘆の声が上がった。
このトップで渡辺は個人成績がプラ転。最後は「これからチーム全体が上昇気流に乗れるように、チーム一丸となって、前を向いていきたいと思います」とファンへメッセージを送った。麻雀新時代の申し子がその実力を発揮すれば、安定感は抜群、チームを牽引する大きな力となる。久々の快勝は、中盤戦へ向かうチームに弾みを付ける好内容だった。
【第2試合結果】
1着 赤坂ドリブンズ・渡辺太（最高位戦）4万9600点／＋69.6
2着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗（連盟）2万5500点／＋5.5
3着 U-NEXT Pirates・鈴木優（最高位戦）1万4800点／▲25.2
4着 BEAST Japanext・菅原千瑛（連盟）1万100点／▲49.9
【11月16日終了時点での成績】
1位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ＋262.5（32/96）
2位 U-NEXT Pirates ＋231.5（32/96）
3位 KADOKAWAサクラナイツ ＋128.6（30/96）
4位 TEAM雷電 ＋127.7（32/96）
5位 渋谷ABEMAS ＋88.4（30/96）
6位 EX風林火山 ＋36.0（30/96）
7位 赤坂ドリブンズ ▲40.4（32/96）
8位 BEAST Japanext ▲405.4（32/96）
9位 セガサミーフェニックス ▲428.9（30/96）
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合（全216試合）を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合（全30試合）を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ（16試合）に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
