WRC(世界ラリー選手権)が、昨年に引き続き、今年も日本で開催され、初日から日本人ドライバーが激走を見せている。
世界最高峰のラリー競技であるWRCは、欧州を中心に世界各国を転戦しており、日本で開催されるのは今回で8回目。昨年の『ラリージャパン2022』に引き続き、今回も愛知県と岐阜県を舞台に開催されることとなった。開幕初日の16日に行われたのは、SS1。『SS』はスペシャル・ステージの略で、豊田スタジアム内に建設された特設ステージでのタイムトライアルが見られた。
SS1は、2台のマシンが同時にスタートし、狭く複雑なコース内を走りながら同時にタイムを競う。日本人ドライバーの勝田貴元(30)が乗るトヨタ GRヤリスは、スタートと同時に鋭い加速を見せると、迫り来るサイドウォールのなかを華麗なステアリングさばきで突破していく。そして、自らがポイントであると語っていたコース途中にあるジャンプ台では、パワフルなマシンを上手く制御しつつ、テクニカルなジャンプを成功させた。
2023年のWRCはこれが最終戦で、年間チームタイトルはすでにトヨタが3年連続のチャンピオンを決めているものの、ホームである日本、そして豊田スタジアムでのSS開催を見ようと、多くのラリーファンが集まった。
特に関心を集めたのは、トップカテゴリーである『ラリー1カー』でエントリーした9名のドライバーのうち、唯一の日本人となる勝田。祖父と父もラリー経験者というラリー界のサラブレッドで、地元愛知県の出身。昨年のラリージャパンでは3位表彰台を獲得しており、本人も「今までのキャリア最高位が2位なので、初優勝をここで達成できるようにすべてを出し切っていきたい」と語っていた。帰国後、すでに5回は食べているというCoCo壱のカツカレーによって実力を出し切れるか、その走りは注目を浴びた。
結果、勝田選手の初日は、一位とわずか3秒差の5位につける好発進となっている。全4日間で争われるラリージャパン2023。17日以降も熱戦が予想されるなか、ホームの利を活かした勝田選手の走りに期待しながら見ていきたい。
(ABEMA『ラリージャパン2023 デイリーハイライト』/(C)WRC)