11月16日から開催中のラリージャパン2日目は、期待の日本人ドライバー、勝田貴元が衝撃のクラッシュシーンを見せる波乱の幕開けとなった。
2日目最初のステージSS(スペシャルステージ)2は、今大会で最も長い23.7kmのコース『伊勢神トンネルSS』。この日は朝から気温が低く、大雨が降る最悪のコンディションで、タイムを縮めるには厳しい状況が予想された。初日のSSS(スーパースペシャルステージ)1では5位につけ好発進となった勝田は、この日も勢いよくスタート。視界が悪く路面に水たまりがあるような難しい条件のなか、中間地点まで好タイムをキープしていた。しかし、11.8km地点で問題が起こった。
ゆるい左コーナーの立ち上がりで勝田の乗るGRヤリスが加速しかけたところ、落ち葉にタイヤを取られたか、グリップを失って車体が左前方へ傾いてしまう。刹那、そのままコース左側の木立にマシン前部をヒット。車体は左回転でスピンを喫した。
この場所はWRCドライバーにとっての鬼門となり、後にヒョンデのダニ・ソルドやフォード(Mスポーツ)のアドリアン・フルモーも同エリアでクラッシュすることになる。しかし、勝田はフロントバンパーを大破した状態でステージに復帰。途中、ラジエターを冷やすために用水路で水を補給するなどしながら、なんとかサービスパークまで走り続けた。
勝田のGRヤリスは右ヘッドライトがないような状態で、足まわりなども破損しているように見えた。4日間で行われるラリージャパンの序盤から、早くも厳しい状況に置かれることとなったが、メカニックの懸命の修復作業で戦列復帰を果たし、ラリーを継続している
(ABEMA『ラリージャパン2023 デイリーハイライト』/(C)WRC)