激戦を終えたラリージャパンで、ドライバーやマシンだけでなく、メカニックの腕が光る場面が注目を集めている。
11月16日から19日までの4日間、愛知県と岐阜県を舞台に熱戦が繰り広げられた『フォーラムエイト・ラリージャパン2023』。最終的には、トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing WRT)の優勝と表彰台独占という華々しい結果となった。
唯一の日本人ドライバーである勝田貴元(30)も、2日目にSS2でクラッシュを演じてしまったものの、その後立て直して、合計10ステージでベストタイムを記録する凄まじい追い上げをみせ、最終的には5位フィニッシュを果たすなど大健闘をみせた。
この2日目のクラッシュは、天候の悪いなか落ち葉を踏んだためにコース脇の立木にフロントをぶつけたというもの。バンパーやラジエター、足まわりなどを大破し、そのままリタイアかと思われたところ、なんとか応急処置を施して、EVモードでサービスパークまで戻ってきた。
すると、ここで活躍を見せたのがトヨタチームのメカニック陣だ。マシンがピット内に到着するなり、一斉に修理にとりかかる。各人が担当部位のパーツを外し、あるいは切り落とし、テキパキと新しいパーツを組み付けていく。途中、オイルに火がつくアクシデントもあったが慌てずに対応。38分20秒を越えてしまうとペナルティが課される条件のなか、見事時間内に修復を終えると、メカニックの神技に対して周囲から拍手も上がった。
視聴者からは、「すげー」「燃えてる」「ラリーは全てが面白いよな」「きれいに」「チームなんだ」「よく戻したよ」など驚きの反響と同時に、その華麗なチームワークに感心する声がみられた。ドライバーの腕やGRヤリスの性能だけでなく、チーム全員の結束と努力があったからこそ、トヨタが完全勝利を収めたことがよくわかるシーンだ。