ペットの“認知症”予防と対策は?「安楽死」を選択する人も…介護&看取った当事者に聞く「恩返しする最後のチャンス」
【映像】あおちゃんぺ、愛犬の終活を考え涙
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 現在、日本で飼育されている犬猫のうち、約半数の800万頭が老犬や老猫と言われ社会問題に。また、動物も人間と同じく脳の萎縮などが原因で「認知症」を発症し、犬の場合は11歳を超えると約3割、15歳を超えると約7割がなると言われている。

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 家族の一員と言われるペットが認知症になったらどう向き合うべきなのか。『ABEMA Prime』で、著書『うちの犬が認知症になりまして』で愛犬の介護体験を綴った児童文学作家の今西乃子氏をゲストに迎え、考えた。

■16歳の愛犬が認知症に 「夜鳴きが一番つらかった」 

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 愛犬・未来ちゃんが17歳7カ月で亡くなる前、約1年半にわたって認知症の介護をしていた今西氏。未来ちゃんはとても友好的でおとなしい柴犬だったが、14歳半を過ぎた頃からぐずるような遠吠え、16歳から徘徊やトイレの失敗、家具の隙間に挟まるなどの症状が出始めたという。「認知症と確信したのは夜鳴きだ。夜9時から朝4時まで断続的に、一晩中泣き続ける。あやしても、なでても、フードをあげても駄目。徘徊などのケアは飼い主だけがやればいいが、夜鳴きは近所の人に迷惑がかかる。ここが一番つらかった」と明かす。

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 認知症への向き合いとしては「未来は長生きで、20歳まで頑張ってねという気持ちだったので、認知症になることは予想していた。なってしまったら、あくまでこの子にとってのQOL、一番平和なのは何か、安心できるのは何かを考えて、臨機応変に介護していけばいいと思っていた」と答える。

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 しかし、慢性的な寝不足もあり、自身がうつ病になってしまったという。それでもなぜ介護を続けられたのか。「私たちは犬や猫からたくさんの楽しみや喜び、癒しをもらっている。その恩を返す最後のチャンス」。中には追い込まれて耐えきれず、安楽死を選ぶ飼い主もいるそうだ。

■今西氏が行った対策 「ご近所付き合いは非常に大事」

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 ペットの認知症に対しては、「どこまで看られるのか」「しつけも無理だし、どう接していいか迷ってしまう」といった不安の声が聞かれる。今西氏は対策として、カーペットを洗いやすいものにかえる、外出時に家具には緩衝材を巻く、近所への謝罪、抵抗感があったオムツの使用、などを行ったという。

 「認知症に関係なく、粗相は老犬になったら必ず起こるもの。大きいカーペットは洗濯が大変なので、ホームセンターで売っている50センチ角のカーペットを敷いた。毎日5~6枚は洗濯していたが、大きいカーペットを洗濯するより全然いい」と推奨。

 また、夜鳴きについては「田舎の戸建てだったが、ペア(複層)ガラスでも近所に聞こえてしまう。“昨日3時に鳴いてたね”と言われてしまってまずいと思い、菓子折りにお手紙をつけて、夫婦で頭を下げてお詫びに行った。犬のためにそこまでされると、“もうしょうがないわね”となる」と振り返る。

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 ペットの介護で大変なのが昼夜逆転の対応。そのため、老犬ホームのような施設に頼るという考え方もあるのではないか。高齢ペット専門のケアマネージャ・平端弘美氏は「飼い主さんのほとんどが自宅で介護をしたいという思い。でも自分の手でなかなか介護がうまくいかない、精神的・肉体的に大変になってきたら、プロの方に頼むのもありだろう。老犬ホームや高齢のペットに強いシッターなどもいるので、そういったものをあらかじめ探しておくといいと思う」との見方を示した。

 今西氏は「私は家で執筆してる時間が多かったので一緒にいることができたが、仕事でどこかに行かなくてはいけないときはデイサービスに預けていた。私の知り合いで朝8時に預けて、夜8時に迎えに行くのを1年間続けていた方もいる」と話した。

■認知症予防とお別れに向けた心構え

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 認知症になりにくくするための方法はあるのか。平端氏は「若い頃からたくさん話しかけて犬を笑わせたり、認知症予防のゲームをやったり、脳を活性化させるという意味で運動やスキンシップはいい。歩けるワンちゃん、ネコちゃんなら、なるべく昼間は外に出て、太陽の光を浴びるようにして、昼間起きて夜寝るリズムにしてもらう」と答える。

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 主なペットの終活には、思い出を記録に残す、貯金とペット保険で医療費に備える、介護をどうするか決める、看取る場所を決める、葬儀方法を決めておく、などがある。

 今西氏は「10歳ぐらいを過ぎたら、“この子の看取りをどうしよう”ときっちりシミュレーションして、お金の面では未来ちゃん貯金というものをやっていた。“自分の犬が死ぬなんて考えられない”とおっしゃるが、その時は必ずいつか来る。良い看取りをするためには、それなりに準備しておく必要がある。それは犬のためであり、飼い主の責任でもある。亡くなってから“どこかない?”と葬儀場を探したり、“もうちょっときれいなところだと思ってた”と後悔している人が私の周りにいっぱいいる。“亡くなった時”はずっと残るもので、それがすごく穏やかで、良いお別れができれば、思い出と一緒に生きていけるという考え方をしている」と述べた。

 その上で、「私も未来がいなくなったら死ぬんじゃないかと思っていたけど、死なない。悲しいというのは、その子とのいい思い出がたくさんあった証だと思って、生きているときに後悔しないようにとにかくお世話をする。それが一番」とした。(『ABEMA Prime』より)

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