将棋の第1回達人戦立川立飛杯達人戦が11月25日、東京都立川市の「立川ステージガーデン」で行われ、準決勝で羽生善治九段(53)VS森内俊之九段(53)のライバル対決が実現した。ともに永世名人称号保持者で、毎年4月に開幕する名人戦を9期戦った両者は「森内・羽生は春の季語」と形容されたことも。時を越えて達人戦で再び盤を挟んだ両者の姿は、ファンの目をくぎ付けにしていた。
同じ1970年生まれの羽生九段と森内九段は、小学生時代からの好敵手。羽生九段は1985年に、森内九段は1987年にプロデビューを果たし、翌年の公式戦初対戦から数々の名勝負を繰り広げてきた。タイトル戦では16期を戦い、そのうち名人戦は9期。保持者と挑戦者を両者で入れ替えながらも同一カードで争い続けることから、例年4月に開幕する名人戦七番勝負第1局の前夜祭で、谷川浩司会長(当時)は「森内・羽生は春の季語」と例えた。
達人戦では、両者ともにシード棋士として24日の準々決勝からの出場となった。羽生九段は深浦康市九段(51)に、森内九段は阿部隆九段(56)に勝利し準決勝へ。森内九段との対戦が決まった羽生九段は、「森内さんとの対戦も久しぶり。また舞台が変わって新たな気持ちで臨めれば」とコメントしていた。
25日に行われた準決勝は、両者にとって公式戦140局目の対決。和服姿で公開対局場に姿を現すと、ABEMAの視聴者からは「オーラがヤバい」「立川に春が来た!」「平成にタイムスリップ」「完全に名人戦」「かっこよすぎる」「最高のカードやね」「やばい風格が違うわ」「貫禄が違うわ」とコメントが殺到。平成を代表する好カードの対局に釘付けとなっていた。
対局は、相掛かりの出だしから攻めを繋げた羽生九段のペースに。終盤の激戦の中で勝ちを見切り、森内九段を押し切って勝利。大熱戦を繰り広げた両者に、現地観戦者からは割れんばかりの大拍手が送られていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)