プレーヤーと管理職の仕事は想像と違っていたという。「そんなに大きい会社ではなかったので、数字を上げた人間が自然と管理職になっていく流れだった。私に命じられたミッションがV字回復で、部下育成は命じられていない。その状態でアサインされて(任されて)、後から“部下が育成できてないじゃないか”と詰められて、しんどい思いをした」と振り返る。
部下の5人が退職したときは「自己否定された感じで、誰も信じられない心境になった」と傷ついたそうだが、部下のことは好きだったという。「好きだったからこそ厳しくなった。恋愛じゃないけど、好きな人に辛く当たり“なんで振り向いてくれないんだ”みたいな。そういう体質が僕にあるのかもしれない」。
その後、業績は回復したというが、残った部下とはどう接したのか。「それまでは飲み会も含めて、かなりベタベタのコミュニケーションをやっていたが、組織は崩壊した。なので、部下とは一定の距離を置き、ルールなどの線引きをした上で、人ではなく仕事のマネジメントをした。とにかく仕事でパフォーマンスが上がることだけに割り切ってやったら、逆にシンプルになって、結果うまくいった」と答えた。
■いい上司になるためには?


