アメフト部員の薬物事件の対応に追われる日本大学や楽天・安楽投手のパワハラ問題をはじめ「組織の問題点」が注目される事案が相次いでいる。野球解説者の古田敦也氏と共に組織の中の上下関係とリスクマネジメントについて考えた。
麻薬取締法違反の疑いで逮捕・起訴された日本大学のアメフト部員、北畠成文被告は初公判で、「副学長がもみ消すと思った」との認識を示した。これについて古田氏は、「この“もみ消すと思った”という言葉に組織の風土のようなものが集約されていると感じた」と所感を話した。
さらに組織の中で問題が起こった時のマネジメント側の対応については、「我々の頃は荒い選手や監督も多かった。今とはまるで違うが、その認識を上の人はしっかり持っておくべき。“昔はよかった”は通用しないということを理解しなければいけない。例えば学生同士がつかみ合いのケンカをしただけなら当事者で解決できても、大けがをしたら公表すべきかなど、見極めは難しい」と線引きの困難さを指摘。一方で「大麻については内部で解決できるとは考えないと思うが…」と疑問を呈した。
プロ野球界では、若手選手へのパワーハラスメントがあったとして、楽天の安楽投手が12月1日に自由契約となった。これについて古田氏は、「安楽投手の件に限らず、我々もそれなりに厳しいことをいう先輩もいる中で生きてきた。今回のように服を脱がすようなことはなかったが、勢い余って手が出ることや、 暴言を吐かれるということもよくあったが、それこそ今の時代はそういうことは許されない」と指摘。
また、球団側がヒアリング調査を実施し、安楽投手を自由契約とする決定を速やかに行ったことについては、「今は情報を隠せない時代。週刊誌などに報道される可能性があった中で、上層部が自分たちで調査し、40人も証言が出たことをしっかり判断した点は早かったと思う」と見解を示した。
さらにスポーツ界の傾向については、「伝統的に「上官の言うことは絶対」という軍隊の流れで、『先輩・監督の言う事は絶対』というところがある。僕の場合も『野村監督のいう事は絶対』で口答えなどできなかった。プロでもそんな環境だったため、アマチュアスポーツの場合、その傾向がより強いところもあっただろう」と指摘した。
さらに古田氏自身は、「比較的みんなとフランクに話せるようにしているつもり」としながらも、「暴力や陰湿なことはしていないが、現役時代は僕のことを怖かったという人はいっぱいいて、それは認める笑」と振り返った。
組織の中で被害を受けたとき、あるいは被害を目撃したとき声をあげる勇気が持てない、という人に対しては「自分だけが被害者、目撃者というわけではないケースが多い。まずは仲間を増やすことが重要ではないだろうか」と持論を述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)
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