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【映像】Mリーグの試合前、笑顔から選手の表情に切り替わる中田花奈
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 「こんなに派手な世界はもう向いていないと思い、アイドルを卒業しました」。人気アイドルグループ乃木坂46の1期生である中田花奈は、2020年10月でグループを卒業した。1期生はグループ創世記を支えただけあり、卒業後も様々な形で活躍する者が多い。ただ、中田は卒業を決めた時は、幼いころから憧れたアイドルになれたこと、約9年の活動期間で「全てやりたかったことを叶えることができた」と、達成感と脱力感があった。このまま芸能界という表舞台から身を引くつもりでいたが、中田をこの世界に引き止めたのは「麻雀」だ。卒業してから3年余り。第2の人生をともに歩む麻雀には「自分を必要としてくれた」という感謝の言葉が溢れ出た。

【映像】Mリーグの試合前、笑顔から選手の表情に切り替わる中田花奈

 「こんなに派手な世界はもう向いていないと思い、アイドルを卒業しました」。人気アイドルグループ乃木坂46の1期生である中田花奈は、2020年10月でグループを卒業した。1期生はグループ創世記を支えただけあり、卒業後も様々な形で活躍する者が多い。ただ、中田は卒業を決めた時は、幼いころから憧れたアイドルになれたこと、約9年の活動期間で「全てやりたかったことを叶えることができた」と、達成感と脱力感があった。このまま芸能界という表舞台から身を引くつもりでいたが、中田をこの世界に引き止めたのは「麻雀」だ。卒業後してから3年余り。第2の人生をともに歩む麻雀には「自分を必要としてくれた」という感謝の言葉が溢れ出た。

 小学生のころからアイドルに憧れ、乃木坂46の1期生に選ばれたのは、2011年8月のこと。メンバー内でも努力家として知られ、特に頭の回転の速さとダンスパフォーマンスは、ファンからも一目置かれる存在だった。選抜メンバーから外れる期間も短くはなかったが、それでも真っ直ぐに向き合う姿勢はファンから支持され続けた。その中田にとって、卒業後の人生を支えることになる「麻雀」と真剣に向き合うようになったのは、2019年のことだ。麻雀番組のレギュラー出演を争う企画で勝ち抜き、翌2020年1月から「乃木坂46中田花奈の麻雀ガチバトル! かなりんのトップ目とれるカナ?」がスタート。ここから中田の人生に占める割合で、麻雀がどんどん大きくなる。卒業後には麻雀カフェ経営に乗り出し、さらにプロ雀士にもなった。

 中田花奈(以下、中田) 麻雀とこれだけ生きていくようになるとは全く思っていなかったです。グループ卒業後すぐにプロ雀士になるつもりもなかったですし。なれると思っていなかった、という方が正しいですね。卒業するタイミングで芸能界を引退するつもりでした。アイドルを卒業した時は「こんな派手な世界はもう向いていない」と思っていたので。ここまで麻雀に向かって突き進むとは思っていなかったですね。

 自身を「オタク気質」というように、ハマったらとことんのめり込むタイプ。自身初の冠番組を持てたからといって、それからわずか1年と少し半でプロ雀士になり、またその3カ月後に麻雀カフェの経営者になるとは、本人ですらまるで想像をしていなかった。

 中田 1つ1つの趣味がヘビーで、スイーツ好きでカフェに行ったり、深夜ラジオが好きで聞いていたり。好きなものは本気で好きになります。お店を持った時は私生活も全て、本当に経営のことしか頭になかったですね。だからタレント業の時、エピソードを振られても、お店の話しか出てこなくて(苦笑)。

 ストイックなところはアイドル時代からまるで変わらないが、今はその対象が「麻雀」に向いている。今年9月からはプロ麻雀リーグ「Mリーグ」にBEAST Japanextの選手として参加。これまで以上に多くの人に、戦っている姿を見られるようになった。

 中田 もともと働く時間や動く時間は多かったのですが、今はMリーグのための勉強の時間もあるのでスケジュールはパンパンですね。試合に向けた自分の努力の時間も必要なので。想像通りでもありつつ、もう少し時間が作れたらいいなとは思います。

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 テレビ、ラジオ、YouTubeも含めれば週に5本のレギュラー番組を持ち、オーナー&店長である麻雀カフェにも時間を作って顔を出し、ファンたちと交流する。その中でプロ雀士としての技術、知識も高めなくてはいけないが、9月中旬のMリーグ開幕以来、中田はチームの試合には、自分が出場しなくても必ず顔を出す。

 中田 行かなかった日は現状1日もないですね。なるべくMリーグとはかぶらないように、スケジュール調整をしていただいています。

 これまでも麻雀カフェでは、店舗スタッフやお客さんと一緒にMリーグを見ながらあれこれ検討することはあったが、やはりチームメイトが戦っているところを、仲間と一緒に控室で応援するのとでは、伝わるものも学ぶものも違う。プロ雀士になる前から放送対局の経験はあり、またアイドル時代に多くのファンの前でパフォーマンスを披露していた分だけ“舞台度胸”は十分だが、今はとにかく雀士としての腕を磨こうと必死だ。

 中田 プロ雀士になった時、すごく緊張しました。「こんな状態でプロを名乗って打つのは嫌だな…」とか。当時は悩んだこともあったのですが、今はそれもわかった上で試合に出ているし、自分の実力もどんなものかわかった上で臨めています。

 目の肥えた麻雀ファンからきつい言葉を浴びたことがある。試合中、点数計算が何度かおぼつかなかったからだ。麻雀の点数は他のゲームに比べて複雑であり、アガリの状況によって直前まで点数が確定しない。頭の中で複数のパターンを把握し、アガった直後には速やかに自ら点数申告をすることになっている。先輩雀士の助けを借りて、ゲーム自体は無事に進行したが、多くのファンから強い言葉で指摘が飛んできた。

 中田 「恥ずかしい!」「やっちゃったー!」というのはありました。全然頭が回っていないところをみんなに見せてしまったので…試合途中までは問題なかったのに、急にボロボロになってしまって。自分の集中力が切れた瞬間をお見せしてしまって、すごく恥ずかしいなと思いました。

 プロ雀士、さらにはアスリートとして反省し、学んだことがある。いかに試合に向けて最高のパフォーマンスを出す準備を整えるか、ということだ。このミスが出たMリーグの試合前、中田は所属する日本プロ麻雀連盟の配信対局「フォーカスM」でも対局をしていた。フォーカスMは午前中から午後まで、Mリーグの試合は夜から。本人からすれば十分なインターバルが取れるから大丈夫だと思っていたが、フォーカスMがロングゲームにもなったことで疲労が蓄積したのか、夜のMリーグで思わぬミス連発につながった。

 中田 まだまだ私には麻雀をたくさん打つ体力がないのだと自覚はしていましたが、そんな状態で試合に出てしまったのは、とてもよくなかったと思います。だからその後に「断る」こともプロだからこそしないといけないと感じました。タレント業の時は、何かを断るという感覚がなくて。でもプロだからこそ断るということをしないといけないですよね。アスリートとは、そういうことだと思いました。わがままで言っているのではなくて、それがチームの負担や迷惑になることもあるので。

 求められたものは、なんでも応えようとするタイプ。サービス精神というよりも引き受けてしまう、という感覚に近い。プロ選手として、求められるままに放送対局を詰め込んでしまった結果が招いたことだけに、今後の糧とできる経験がまた1つできた。それでも求められたからこそ、今なお中田がテレビ、ラジオなど様々な舞台で活躍ができている。その代表格が「麻雀」だった。

 中田 趣味にはどれもウェイトがかかっている状態でハマっていくタイプなのですが、仕事としてオファーをしてくださったのが麻雀でした。自分を必要としてくれたんです。麻雀が自分を必要としてくれて、引き止めてくれたものでもありました。導かれるままに、というのですかね。何か私にできることがあるかもしれないと感じさせてくれたんです。アイドル時代に全てやりたいことは叶ってしまって、夢とかもあまりなく生活していたころがあって。自分の「これ、やりたい!」がなかった時に、麻雀が私を必要としてくれたので、それは「もちろんやります!」となりました。

 人生は不思議なもの。麻雀の世界に招かれたまま、身を任せるように、それでも全力で応えていくと、自然と仲間も仕事も増えた。麻雀カフェでは、麻雀牌をモチーフにしたコラボスイーツの発表会まで開くことができた。中田の「好き」が、麻雀を介してどんどんと叶っている。今でも一緒にアイドルとして活動したメンバーたちと連絡を取る。麻雀に関して詳しい者はほとんどいないが、プロ雀士になり、Mリーガーになったことを「なんか、すごいんだよね」と言われるだけでうれしい。

 中田 毎回のようにX(旧Twitter)のトレンドに入っているのはうれしいです。乃木坂46のファンのみなさんにも、卒業生が頑張っているよと伝えられていることにもなるし、どんな形でも、私の活動をいろいろな人に感じてもらえるのは、うれしいことです。

 一度はやりきった、燃え尽きたと思った。それでも何事にも一生懸命に取り組む姿勢が伝わり、その華やかさと発信力を求めた麻雀の世界と、ぴったり息が合った。

 中田 私は麻雀を打っている数がまだまだ少ない。そんな中、Mリーグにも選んでいただいて、経験も積ませてもらっているのはすごく幸せです。こんな絶好な機会はないです。もっともっと麻雀が上手になって、みんながワクワクする麻雀を打ちたいです。見ていて応援しがいのある雀士になりたいです。

 笑顔の中にも、しっかりとした芯の強さを持つ中田花奈。麻雀とともに歩む第2の人生は、まだ始まったばかりだ。

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