かつて人気アイドルとして大きな会場のステージに立った者が、全く異なるプレッシャーと向き合い、涙をこらえて戦い続けている。乃木坂46の元メンバーで、現在は麻雀カフェのオーナー店長、さらにプロ麻雀リーグ「Mリーグ」BEAST Japanextの一員としてプレーする中田花奈(連盟)。多くのファンから声援を受けるが、Mリーグの舞台では「打ち始めた瞬間に急にブルブル震える」という重圧がかかっている。先輩Mリーガーとの対談では、思わず涙をこぼすシーンも。麻雀ニュース番組「熱闘!Mリーグ」では、そんな中田の素顔に密着した。
中田は今なお大人気のアイドルグループ乃木坂46の第1期生オーディションに合格。2020年に卒業し、直後は「タレント業をやるかどうかも微妙で。引退も考えていた」が、現在でもレギュラー番組5本を抱える人気者だ。卒業直後から、大好きな麻雀を仕事にしようと突き進み、自身がオーナー店長を務める麻雀カフェ「chun.」にはオープンからの2年間、ほぼ毎日のように顔を出している。指名を受けたMリーグのドラフト会議も、この店の中で見届けた。
9月の開幕から約3カ月。中田は7戦に出場し2着1回、3着6回とラスもないが、まだ待望のトップがない。なんとか勉強を重ねて、早く初勝利をという状況だが、番組で対談したのは、過去に共演したことをきっかけに連絡を取る仲になった、元赤坂ドリブンズ・丸山奏子(最高位戦)だ。丸山もプロ雀士になってから、わずか2年で指名を受けてMリーグ入りという大抜擢。中田も3年目での指名と、境遇が似ている。
丸山が「1年目の自分と重ねちゃう。プレッシャーとか大丈夫かな」と尋ねると、中田は「打ち始めた瞬間に急にブルブル震えて。怖いですね」と正直な気持ちを吐露。続けて丸山が「あの舞台で戦っているだけでみんなすごくかっこいい。みんな頑張れっていう気持ちで見ています。中でも精神的にグッとくることが多いだろうなと想像するのが花奈ちゃん」と、自身の経験を踏まえて、つらいルーキーイヤーについて聞くと、いつしか中田の目からポロポロと涙がこぼれた。
中田は「麻雀が好きなのは変わらない。でも怖いと思っちゃう気持ちがあって自分でもわからなくなる。落ち込んだりしている時間もないし、そんな時間があるなら麻雀の勉強をした方がいい。自分の感情に目を向ける機会がなくて、急に涙が出てびっくりしています」と、ふと出てきた涙の理由を語った。Mリーグ入りをきっかけに、2人が共通して感じたのが、麻雀の勉強についてだ。丸山は「新しい知識がいっぱい入ってきて、何が何だかよくわからなくなったりする」と言えば、中田も「いろいろなことを考えすぎて、ブレブレの打牌をしている」と説明した。トップ選手が集うMリーグであれば、チームメイトを中心に、いろいろとアドバイスをくれる。ただそれは今まで考えたこともないレベルの構想であることもあり、それを消化して取り込むのも、キャリアの浅い雀士にとってはハードだ。消化不良のままで打牌選択すれば、当然ブレる。共通の経験に、お互いの顔を見てうなずいていた。
対談後、改めて自らの店でコメントを求められた中田は「頑張ります。私にしかできないことが、Mリーグにもある」と、また強い気持ちを取り戻して誓った。初トップを取った時には、励ましてくれた丸山、多くの関係者・ファンたち全員に、全力で手を振ることだろう。
(ABEMA/熱闘!Mリーグより)