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 今、民間企業が次々と公園事業に参入し、その形が変わりつつある。国立競技場に隣接する都立明治公園は10月31日にリニューアルオープンしたが、整備や運営に東京建物、三井物産など複数の企業が参入。芝生の広場やカフェやレストラン、リラクゼーション施設が併設され、新たな憩いの場として期待されている。都立代々木公園も来年から民間主体で再整備され、2025年のリニューアルオープンを予定している。

【映像】都心の有名公園にもPark-PFI計画

 民間企業の参入を後押ししているのが「Park-PFI(公募設置管理制度)」と呼ばれる仕組みだ。公園に飲食店や売店など利便性を向上させる施設を設置し、その収益を公園の運営や整備に利用する制度で、民間企業の公募で行われる。一方で、こうした“稼ぐ公園化”には批判の声もあがる。

 公園は何のため、誰のためにあるのか。Park-PFIのメリットとデメリットも踏まえ『ABEMA Prime』で議論した。

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 ニューヨークを拠点に活動する都市建築家の重松健氏は「公園のあり方自体どんどん変わってきている。今までは児童・子どもたちが遊ぶブランコなどがあるようなイメージだったが、都市の中にある公園はそうではない。カフェがあったり、友達と会ったりという出来事があるからこそ、その公園の価値が上がり、街が賑やかになっていく。インフラの重要度として行政ではなかなか予算がつかず、最低限のことしできないと、メニューや運営が画一的になってしまう。そこで、規制緩和の1つとして民間に考えてもらうことが大事。稼ぐことがポイントではない」と話す。

 自民党・新しい資本主義実行本部事務局長、元デジタル副大臣の小林史明衆院議員はメリットとデメリットについて語る。

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「今まで行政が税金で運営し、木を切るのは造園業者に、メンテナンスは機材業者にと、基本は委託しているわけだ。これを運営ごと民間に委託すれば収益も上げられるようになるので、税金を使わずに新しい価値を作ることができる。そして、コミュニティと人の流れができ、地域の活性化につながるのが良いところだ。一方で心配なのは、わかりやすく稼げそうな施設ばっかりを誘致するパターンになっていかないか。何割を民間に委託するかや、地域の小さな事業者のチャンスの場にしよう、若手の建築家の実績になるようにしよう、と本当は丁寧に設計できるが、そこが抜けていないかは心配だ」

 さらに、「都内では障害者の作品を展示するカフェを作ったり、地方だとスタートアップを誘致できるようにシェアオフィスを公園内に作っていたりする。中四国で初めてPark-PFIをやったが、まさに地元の喫茶店がカフェを作って図書館と一緒にイベントをやっている。発注側のコンセプトが非常に大事で、民間に委託する手法が悪いのではない」と付け加えた。

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 ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「長期的には単なる民業圧迫になるだけではないか」と疑問を呈する。

「利益率を上げようとすると、設計図や建物は同じものを利用した方が得だということで、“ここはスタバで、ここはマックで”みたいな似たような建物が日本中にできることになると思う。また欧州だと、広場になんとなく人が集まるのが民主主義にとって大事だ、という考え方がわりとある。集まって“何か話をしようぜ”“こういうことをしようぜ”というエネルギーを持った人が、民間にすることで閉め出されてしまうだろう」

 これに小林氏は「土地をすべて民間に渡すのではなく、あくまで行政の公共空間で、一部の運営を民間に託すという話。公園の公共空間を奪おうとしているわけではなく、例えば、建物の建ぺい率は何割までとか、どれぐらいの公共性を持たせるかというのは、PFIを発注する時に行政と民間が契約を結ぶ。丸投げしないということだ」と説明。

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 重松氏は「周辺に対する波及効果が場所によって異なる。渋谷のミヤシタパークだと、元々ホームレスなどはいたわけだが、オフィスがいろいろ建ち若者が遊べる場所もない中で、とりあえず自由なスペースができたと認識している若者がすごく多い。一方で、商業化した時に、周りの個人店が潰れるといった悪い影響も考えられる。公園の敷地だけでなく、地域一帯まで踏まえて設計されているかという整備をしていくことは大事だ」と述べた。

 小林氏は「Park-PFIでは地元の行政がちゃんと議会を通したり、予算をつけないといけない。必ず反対運動が起こるものだが、どういう場所だったらいいかという合意形成が行われていく、そのプロセスにすごく意義がある」と主張。

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 渋谷区観光協会元観光フェロー、NEWSKOOL代表の鎌田頼人氏は「日本の公共は基本的に減点方式で、誰か1人からでも反対意見が出たらNGとなるような国だ。しかも高齢化が進み、若い人の意見が取り入れられづらい中で、高齢者の主張が通る状況になっている。また、日本では逆に公共のほうがしめつけはきつく、民間化によって広がっていくイメージがある。僕はスケボーなどストリートカルチャーに近い方々と仲が良いが、ある程度自由な場所で、先輩が後輩に“こういうこと以上はするなよ”みたいなルールを決めて、自分たちで場を守る。そこを使う人や関わる人のシビックプライドが大きいのではないか」と答えた。

 小林氏は「高齢者1人が文句を言ったから保育園が閉まった、公園で子どもが遊べなくなったということで、“行政は敏感すぎる。もっと緩和しないといけない”と議論してきたのに、なぜ今回は民間に任せると厳しくなるという話になるのか」と指摘した上で、「官民によるという話よりも、日本社会としてどう許容していくかだ。そもそも、今の公園が本当に価値を出せているのか? 全然使われていないものをちゃんと使えるようにみんなで話し合う機会にしよう、というやり方の1つなので、ぜひみんなで公共空間の使い方を考えたい」と提案した。(『ABEMA Prime』より)

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