自民党安倍派をめぐる裏金疑惑で4人の閣僚が辞任。その後“安倍派ゼロ内閣”が始動するも内閣支持率は過去最低を更新している。
そんななか、パーティー券の販売ノルマを超えた分のキックバックを受けていたものの収支報告書に記載していなかったと認める議員も相次いでいる。一貫して疑惑を否定してきて鈴木淳司前総務大臣も60万円を受け取っていたと認めた。
国会が閉会したことで加速している東京地検特捜部の捜査。安倍派が作成した「ウラ帳簿」の存在も明らかになった。関係者によると、安倍派が実際の収入とは別にキックバック分を除外した金額を記載した2つの帳簿で資金を管理していたとみられることがわかった。
そして東京地検特捜部は19日、安倍派や二階派の事務所に家宅捜索に入った。押収した資料などからも資金の流れについて、調べを進めるものとみられる。
■本来、秘書は5人以上必要?
「政治と金」の問題について、JX通信社代表取締役の米重克洋氏は「まず、『キックバックもパーティ収入を得るという行為自体も違法ではなく、政治資金収支報告書への不記載こそが悪事である』と明確にすべきだ。しっかりと焦点を絞らなければ本当の悪事が見過ごされてしまう懸念がある」と述べた。
不記載の問題点について米重氏は「不記載によって誰から・いくらお金をもらい、それを何に使ったかもわからない状態になると“やりたい放題”になってしまう」と説明した。
そもそも、なぜ政治家はパーティという手段でお金を集めるのか?
米重氏は「使い勝手がいい仕組みだからだ。パーティの場合、20万円までであればお金を出す方も名前が出ないが、企業・団体献金であればこの線は5万円で引かれている。つまり企業や団体が付き合いを隠しながら応援しやすく、政治家としても関係性を勘繰られるリスクを防ぐことができる」と答えた。
今後、政治資金パーティがなくなる可能性はあるのか?
米重氏は「ルールメイクをしている政治家が自身に何のメリットもないルールを決めるとは考えにくい。もっと言えば、政治資金パーティ自体が悪いというよりも、そのあり方に抜け穴があることが問題だ。例えば海外であれば政治資金の取り扱いにおいては、クレジットカードや銀行振り込みなどを使って全て履歴が残るような形にしている国もある」と述べた。
さらに米重氏は「政治にお金がかかる構造自体が問題」と指摘する。
「例えば秘書の給与問題がある。実際に地方の選挙区と東京に事務所を持つような国会議員の場合、5人〜10人のスタッフを抱えなければ地元と円滑にコミュニケーションが取れないが、公費で雇える秘書は3人までだ。そんな中で我々が想像するよりも“カツカツ”で活動する政治家もおり、言葉は強いが『自分はワーキングプアだ』と話す議員もいる。そのため、いかにお金がかからないような仕組みに変えるかが重要だ。どうしてもお金がかかる、ということであれば寄付・献金・パーティではなく、政党交付金を増やす、公費で雇える秘書の数を増やすなど、ルールを変えることが有効だ」
(『ABEMAヒルズ』より)
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