全国を8つのブロックに分け、エリア対抗として行われる団体戦「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」で、東京・神奈川の2県で構成されるチーム関東Bの監督を務める渡辺明九段(39)が東京都内で地域会を開いた。『ファンの皆様から応援をもらおう旅』をテーマに、将棋スポットを巡った渡辺九段ら。多くの声援を受け、日本一に向けてパワーを満タンにしていた。
8チームの中で最多の48名がエントリーしている関東B。各地区が結束力を高めていく名がで、首都圏エリアを率いる渡辺九段は「東京・神奈川は人数が多い分、同郷意識はないですよね」とチーム運営の課題も口にしていた。本大会は、日本将棋連盟会長・羽生善治九段(53)が就任直後から掲げていた「将棋を通じての地域活性化」の理念を元に、将棋連盟100周年企画として“地域を背負う”をコンセプトに開催される団体戦。渡辺九段は、「都内の将棋スポットを巡りながら番組PRをしてファンと交流していこう!」というコンセプトの元、『ファンの皆様から応援をもらおう旅』へと繰り出した。
年間を通してタイトル戦や将棋まつりなどで全国各地を飛び回る渡辺九段だが、都内の将棋スポットに現れる機会は多くはない。新設された大会のPRをするとともに、「応援しなさいって押し売りしに行くわけね(笑)」と渡辺節も炸裂させつつ最初のスポット・高田馬場の将棋カフェ「COBIN」へと向かった。
地域会には、チーム関東Bにエントリーしている東京都北区出身の村中秀史七段のほか、同調布市出身の香川愛生女流四段も参加。将棋カフェでは神奈川県相模原市出身の佐藤紳哉七段も合流し、指導対局を通じてファンとの交流を楽しんだ。
次なるスポットは四谷で北尾まどか女流二段が主宰する「ねこまど将棋教室」。ここでは八王子市出身の伊藤真吾六段、豊島区出身の門倉啓太五段が加わり、子どもたちの質問に答えた。「好きな食べ物なんですか?」「得意戦法はなんですか?」などの問いに加えて、「麻雀やってますか?」との“変化球”も。わずかな時間ながら、子どもたちと触れ合いパワーをチャージした。
最後は“観る将の聖地”として今年6月にオープンした「駒テラス西参道」へ。このスポットでは、ファンと一緒にチームのスローガンを決める検討会を開いた。渡辺九段はファンから挙げられたキーワードの数々をホワイトボードいっぱいに記入。「人口が多いという特徴を持つ東京・神奈川。2つの県の人口を合わせて2000万人くらいになる」という提案を軸に、スローガンを練り上げる…かと思いきや、渡辺九段は「これでいっか!」。場内のファンからは笑いが起きていた。
最終的に、チーム関東Bのスローガンは「2000万の声援を力に」に決定。都内各所の将棋スポットでたくさんの応援を受けた渡辺九段は「これを力に変えて本番も頑張りたいと思います!」と飛躍を誓っていた。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)