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【映像】中川八段の“かかと落とし”に苦笑いの藤井竜王・名人

 対局が“山の中”だったら偉業はなかった!?将棋藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)が、12月31日に放送されたABEMAの特別番組に出演。“八冠ロード”の第一歩、第71期王座戦挑戦者決定トーナメント1回戦を戦った中川大輔八段(55)がVTR出演し、対局までのウラ側を語った。

【映像】中川八段の“かかと落とし”に苦笑いの藤井竜王・名人

 中川八段はプロ生活36年のベテラン棋士で、棋戦優勝は1回。日焼けした肌と、スーツ越しにも伝わる鍛え上げられた身体は将棋棋士とは思えないほどだ。その強靭な肉体を作ったのは趣味の登山。「中川登山研」と呼ばれる研究会も主宰しており、体力、精神力を鍛えるべく棋士や奨励会員などと共に山に登っている。

 藤井竜王・名人とは過去3局の公式戦対戦があり、今期の王座戦挑決トーナメント1回戦もその1局。藤井竜王・名人の“八冠ロード”を阻止するべく、角換わり腰掛け銀模様の出だしから力強い駒組みで独創性を見せたが、87手で敗戦した。

 5月の対局を振り返り、「(藤井竜王・名人との)対局が決まってからは家になんてこもらずこの山の中で研究した。山を歩きながら将棋を考えるのが私にとって一番の勉強」という中川八段。「対局では後手番で6筋に金銀の“電柱”のような厚みを作ったんです。これは奥多摩の山に登っている時にパッとひらめいた作戦だったんですけどね。残念ながら私の構想は、山から“滑落”してしまいました」と語った。

 公式戦では3連敗ながら、その闘志が衰えることはない。今年の目標を問われた中川八段は、「もちろん打倒藤井です!他に何がある」と登山キャップをクイっと持ち上げると、軽々と左足を振り上げ豪快な“かかと落とし”を披露した。

 この様子に、藤井竜王・名人も笑いが止まらない。「普通の棋士は部屋の中でしか研究をしないと思うので、山の中でするのは中川八段だけだと思います」と驚きを隠せない様子だった。さらに、山の中でひらめいたという作戦については「予想していない指し方で意表を突かれましたし、こちらが動いていかないと主張を通されてしまうところがあってかなり難しいところが多い将棋でした」と語った。

 ベテラン強豪の気迫も感じたといい、「(対局は)幸い対局室だったので、山の中だったらこちらが厳しかったかなと思います」と語り、ファンの爆笑をさらっていた。“打倒藤井”を受けた八冠王だが、「登山研も主宰されているそうなので、機会があれば教わりたいなと思います」と参加意欲も示していた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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