熱量はどの地域にも負けない。全国を8つのブロックに分け、エリア対抗として行われる団体戦「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治」で、深浦康市九段(51)率いるチーム九州は福岡市内で「地域会」を開いた。ファンとのふれあいでチーム力もアップ…かと思いきや、スローガン決めが大論争に発展!?ベテラン勢の“暴走”に深浦監督もタジタジとなっていた。
8地区で最少の10人のエントリーながら、九州男児が集まればその熱量はどの地域にも負けない。深浦九段がチーム監督を務めるチーム九州には、福岡県出身で名人3期の佐藤天彦九段、2023年に王位戦、棋聖戦と2つのタイトル戦に挑戦した長崎県出身の佐々木大地七段、公式戦はもちろんABEMAトーナメントにも高い適性を見せている福岡出身の古賀悠聖五段ら現在の将棋界を引っ張る有力棋士が集合した。
チームの初活動とあり、深浦監督はまずは九州エリアの最大都市・福岡市へ。中田功八段(56)、弟子の古賀五段らとともに、地域のファンと交流し地域対抗戦をPR、チーム九州へのエールをもらう街歩きへと繰り出した。川端商店街では銘菓・通りもんを味わったほか、将棋センターでは多くの子どもたちとの交流も。深浦監督が「出場登録棋士」の推薦を問うと、「“お弟子さん”(佐々木七段)どうですか?」「佐藤天彦九段!」「豊川孝弘先生!」などの応援の声が飛んでいた。
さらにエキシビジョンマッチとして、古賀五段がアマ強豪2人との2面指しにもチャレンジ。通常の2面指しではなくフィッシャールールとあり、思わず「ひえ~」との悲鳴も上げていた。それでもプロの意地を見せるべく、超スピードでアマチュア2名から白星を奪うと「深浦監督に良いところで(メンバー選出に)アピールできたんじゃないかなと思います!」と満面の笑みを浮かべていた。
多くのファンとの交流で応援を得たメンバーは、今度は“食”からパワーを得るべく九州グルメを味わうことのできる飲食店へ。ここでは豊川七段のほか宮崎県出身の高崎一生七段も加わり、チームのスローガン決めを行った。深浦監督は、サッカー・ルヴァンカップを制したアビスパ福岡の基本理念「子どもたちに夢と感動を 九州に誇りと活力を」をベースにスローガンを決めることを提案。しかし、将棋界のダジャレ王・豊川七段が「九州8県やけん!」と口火を切ると、中田八段は「“8県”も、“やけん”もいらん!」と応戦し大バトル(?)へと発展した。
高崎七段、古賀五段が苦笑いを浮かべる中、中田八段は「これは朝まで案件ですよ!相当難しいですよ!」と“長期戦”を宣言。白熱の大論争が繰り広げられる中、深浦監督はタジタジで「決めて~」と声を上げるしかない様子だった。どうにかこうにか、最後は豊川七段がつぶやいた「九州に誇りとパワーを!」に決定。深浦監督は「九州、めっちゃ熱いね~」と実感を込めるとともに、一層深まった団結力に自信をみなぎらせていた。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合には監督とチームから選ばれた出場登録棋士の4人の計5人が参加可能。試合は5本先取の九番勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。試合は1試合以上出場する「先発棋士」と、チームが3敗してから途中交代できる「控え棋士」に分かれ、勝った棋士は次局にも出場する。先発棋士は1人目から順に3人目まで出場し、また1人目に戻る。途中交代し試合を離れた棋士の再出場は不可。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)