世界的に人気を集めるサッカー漫画「キャプテン翼」が、約43年間の歴史に幕を下ろすことがわかった。作者の高橋陽一氏が連載終了を発表し、ファンから「数々の感動ありがとうございました」「先生の作品は日本の誇りです」といった声が寄せられている。

【映像】アニメでも人気が続く「キャプテン翼」

 「キャプテン翼」は、1981年に「週刊少年ジャンプ」で連載スタートし、掲載誌を何度か変えながら、現在まで連載を続けてきた。「ボールはともだち」を体現する主人公・大空翼の物語は、サッカーブームを巻き起こす社会現象となり、海外のトップ選手もファンを公言している。単行本の世界累計発行部数は9000万部を超え、アニメ化やゲーム化、小説化、舞台化などメディアミックスも盛ん。2023年秋より放送中の新作アニメ「キャプテン翼 シーズン2 ジュニアユース編」も好評を博している。

 しかし、「キャプテン翼」公式サイトは1月5日、「『キャプテン翼』連載終了のおしらせ」と題したメッセージを掲出。4月初旬発売予定の「キャプテン翼マガジンvol.20」に掲載される回をもって「キャプテン翼 ライジングサン THE FINAL」および「キャプテン翼MEMORIES4 最強!!明和FC伝説」は最終話とすること、そして、掲載誌「キャプテン翼マガジン」もvol.20をもって最終号とすることを発表した。

 作者である高橋陽一氏は、「最後まで連載にこだわり体力の限界まで“漫画”を描き続けるよりも、連載をやめ『キャプテン翼』の最終回までの“物語”を残す決断をしました」とコメント。最終回までの構想はあるとした上で、「この構想をすべて漫画化するにはこの先40年以上かかってしまうかもしれません。それを実現させるのは現実的ではないと感じた一方、たとえばネーム(漫画制作の元となる絵コンテのようなもの)などの形で“物語”を残すことだけに集中すればできるかもしれない、と思いつきました」と説明し、従来の“漫画”とは異なる形式で「キャプテン翼」の物語を紡いでいくことを示唆した。

 体力の衰えやデジタル化による執筆環境の変化などで漫画の執筆ペースが落ちてきたことのほか、「僕が漫画家を目指すきっかけであり、一番の憧れであり、目標だった水島新司先生の訃報」も「考えさせられる契機」になったという。「簡単にできる決断ではありませんでしたし、いつも『キャプテン翼』を楽しく読んでくださっている読者の皆さんには残念で寂しい思いをさせてしまうかもしれませんが、この決断を理解していただければと思います」とファンに呼びかけた。

 連載終了が決定し、X(旧Twitter)では「キャプテン翼」がトレンド入りするほどの反響に。「キャプテン翼で育った世代としては…寂しさもある」「涙止まらんマジで」と惜しむ声や、「選手でも監督でもないのに、こんなにもサッカー界に影響を与えた人はいないし、今後も現れないでしょう」「日本、世界のサッカー文化にどれほど貢献したかわからないほどの偉業 感謝してもしきれない」「数々の感動ありがとうございました」「先生の作品は日本の誇りです」と高橋氏への感謝の声が続々と上がっている。

また、「未完で終わりそうな漫画が多い中、英断だと思います」「高橋先生みたいな大御所がこういう選択をしたのは大きい気がする」「長期化漫画コンテンツの新しい可能性を問う英断」など、“漫画”をやめる代わりに“物語”を残すという大胆な選択を称える声も少なくない。

【映像】アニメでも人気が続く「キャプテン翼」
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