険しい顔つきは、卓を離れると晴れやかな笑顔に変わった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2023-24」1月8日の第1試合は渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)がトップを獲得。KONAMI麻雀格闘倶楽部・滝沢和典(連盟)とのデッドヒートを制し、チームに約1カ月ぶりとなる勝利をもたらした。
この試合は東家から滝沢、セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)、松本、EX風林火山・二階堂瑠美(連盟)の並びで開始した。松本は東2局、まず魚谷から8000点をアガって先制。東3局1本場はリーチ・赤・ドラ・裏ドラの1万2000点(+300点、供託1000点)をまたも魚谷からロン。東場だけでリーチ4回、バランス感覚に優れた手組みと軽快な牌さばきでライバルを圧倒した。
東4局は滝沢の跳満ツモを受け、松本と2人のトップ争いに発展。松本もリーチや仕掛けで幾度となく勝負をかけるが、滝沢のアガリが続く。オーラスはわずか1600点差。滝沢が白をポンすると、松本の表情が曇る。しかし魚谷のリーチを受け、ラス親の瑠美がそれにぶつかると、松本と滝沢は2人に勝負を預け一時撤退。最後は瑠美が魚谷へ放銃しゲームセット。松本は辛くも逃げ切った。
試合後のインタビューで松本は「終わった(負けた)と思っていたんで…」と、滝沢の追い上げにクタクタといった様子。それでもなんとか手にした勝利には、ニコニコの笑顔も見せた。この試合には並々ならぬ気合を入れて臨んだとして、その理由について「新年になりましたし、親しい友人もいろんなところで勝っている。渋谷ABEMASも停滞していたので、新年になっても暗い雰囲気のままじゃよくないなと思った」と語った。
さらに松本は「『チャンピオンチーム、ダメかあ』とちょっとなりかけているところもあると思うので。先は長いとは言わないです。まだ半分くらいなんでと言っていると終わっちゃうので。1戦1戦必死なんですけど、とりあえず良かった」と、胸をなでおろした。
チームは12月7日以来のトップ。「一安心ですね」と松本はまた好青年の笑顔を見せた。昨期王者の挽回を信じるファンには「なんとかギリギリトップ取ることができました。まだまだ先は長いようで短いと思うので、どんどん勢いを付けて、プラスに転じて、上位陣に食らいついていきたいと思います」と力強いメッセージ。
チームの総合力を考えれば、定位置はもっと上のはず。昨期王者としてのプライドも選手それぞれが持っているだろう。連覇を信じるファンからは「もってぃーー!」「松本良かったよー!」「おめでとう〜もってぃ最高や!」「ナイスベストバランス!」と次々にエールが寄せられた。
【第1試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)4万9400点/+69.4
2着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・滝沢和典(連盟)4万7800点/+27.8
3着 EX風林火山・二階堂瑠美(連盟)1万1800点/▲28.2
4着 セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)-9000点/▲69.0
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)