能登半島地震で、被災した障がい者や高齢者に必要な物資を届けるために、支援状況が見えるサイトが開設された。
「もしもし坂井です。段ボールの簡易ベッドは今90台用意できています。大変でしょうけど、みなさんのお世話よろしくお願いします」(坂井さゆりさん、以下同)
石川県金沢市で障がい者や高齢者の支援活動を行っている坂井さゆりさんの元には、被災した介護施設などから、必要な物資などについて相談の電話が次々とかかってくる。
「ご高齢の方たちが冷えたり雪で寒かったりするので、やはりベッドが必要。あと補聴器の電池、簡易筆談ボード。これもなかなかありそうでない」
一般的な支援物資には含まれない、障がい者や高齢者の方が必要とする物資が足りないという現状。このSOSを受け、1月10日に開設されたのが支援サイト「届け.jp」。立ち上げたのは、一般社団法人「障害攻略課」の澤田智洋理事らだ。
「石川バリアフリーツアーセンターの坂井さんからメールが来て、そのメールに添付されていたのが、今回の地震で大きな被害を受けている地域の障がいのある方々にとって『不足している物資リスト』だった。能登半島地震で被災している、特に障がいのある方々に対して何かやりたいなというのは思っていて、これは『やらない選択肢はないな』と思って始めた」
障がい者や高齢者の支援に特化したサイトとのことだが、一体どんなシステムなのだろうか。
「アマゾンの『欲しいものリスト』を活用して、『どの施設場所でどの物資がいくつ不足しているか』を、全部“ウィッシュリスト”に入れていく。『輪島市では車椅子があと8台足りないんだな』みたいな。車椅子と言ってもいっぱいある。何でもいいわけではなく、ピンポイントでリストに載せているので、生活者は迷わずに車椅子を輪島市に送ることができる」
サイトから各被災地域が必要としている物資を確認でき、必要なものを必要な数支援することができる。
「届け.jp」は、準備期間4日というスピード感で開設された。現場で支援物資を調整する坂井さんは、このサイトの効果を実感している。
「必要な人のところに必要なものが早く届けられる。これが何よりだ。四方八方に散らばった情報があちこちで集約されて、その集約が本当かどうかも分からないような状況で、必要な情報を拾っていくのは大変。『届け.jp』ならそれが直球で入ってくるので、直球で返事ができる」
障がい者や高齢者に必要な物資の情報をくみ取り、過不足のない援助につなげられる「届け.jp」の存在価値は大きいという。
「公開から18時間ぐらい経っているが、この時点ですでに1000を超える物資が寄付されている」(澤田理事)
澤田理事は、この支援の輪をまだまだ広げていきたいと語った。
「今回の能登半島地震をきっかけに生まれた『届け.jp』だが、今後の日本や世界の有事の際にも全く同じスキームで、細かなニーズに対応できる新プラットフォームとして機能できる前提で全部組み上げている。しんどい状況が本当に年単位で続いていくものになるので、『届け.jp』と末永いお付き合いをして頂けると心強い」
(『ABEMAヒルズ』より)
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