将棋の藤井聡太王将(竜王、名人、王位、叡王、王座、棋王、棋聖、21)に菅井竜也八段(31)が挑戦する「囲碁将棋チャンネル 第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第2局が1月20・21の両日、佐賀県上峰町の大幸園で行われ、防衛3連覇を目指す藤井王将がシリーズ2勝目を手にした。今年最初の防衛戦で好発進した藤井王将がこのままリードを広げるか、王将初挑戦の菅井八段が次戦から反撃を開始するか。第3局は1月27・28日に島根県大田市の「国民宿舎さんべ荘」で予定されている。
藤井王将が開幕2連勝を飾った。シリーズ2戦目は後手・菅井八段の石田流三間飛車を志向。藤井王将は前局に続き穴熊を採用した。1日目には昼食休憩を挟み100分の長考に沈み、後手陣に強く踏み込んでいく手順を決断。封じ手の時刻が近づく午後5時過ぎには、菅井八段がやや意表を突く桂の高跳びを選ぶと藤井王将は少考の後にさらに流れを激しくする角の進攻から菅井八段に強く迫った。
この積極性から盤上は藤井王将のペースに。しかし、菅井八段は根性の粘りが信条だ。絶対王者の猛攻のわずかな隙を狙い反撃のチャンスを伺っていたものの、身動きを取ればその差が広がるため手を進めることも容易ではない。苦境の中、強いまなざしで一手を探り続けたものの、菅井八段が午後3時26分に投了。中盤から瞬く間に優勢に運んだ藤井王将が、正確な指し手を重ねて勝利を手にした。
勝利した藤井王将は「こちらの玉が安定した形で戦いを起こすことができたので、そのあたりからペースを掴むことができたのかなと思います」とコメント。一方、連敗を喫した菅井八段は「(封じ手の)少し前に敗着を指してしまったので、話にならない。自分でもなぜその手を指したのかわからない」と悔しそうに額に手を当てていた。
この結果、藤井王将の通算成績は2勝0敗に。3連覇に加速する連勝を飾ってみせた。勢いそのままに、次戦で防衛まであと1勝と迫るのか、振り飛車党を背負う菅井八段がシリーズ初勝利を手にするのか。大注目の第3局は1月27・28日に島根県大田市の「国民宿舎さんべ荘」で指される。
(ABEMA/将棋チャンネルより)