<大相撲一月場所>◇十一日目◇24日◇東京・両国国技館
体重60キロのスリムな力士が、209.2キロの巨漢力士を相手に粘りに粘って劇的白星。圧倒的な体格差をものともせず、決して諦めない取組に館内が拍手喝采で騒然。「無差別級の醍醐味」「60キロが勝つんかい」「マジかよw」など驚きと興奮の声が相次いだ。
これぞ、超無差別級対決。大相撲の醍醐味を体現する大一番の結末を受け、館内が騒然となった。序二段六十六枚目・宇瑠寅(式秀)が序二段七十四枚目・肥後ノ龍(木瀬)を寄り切って2勝目を挙げた。
この両者、宇瑠寅が身長165.8センチ、体重60キロ。対する肥後ノ龍が身長172.5センチ、体重209.2キロ。実に体重差が149.2キロ、体格差が約3.5倍にもなる取組だ。
両力士が土俵に上がると「差がすごすぎ」「この体格差」「無理ゲーだろ」など心配の声があがる。正面からぶつかれば圧倒的不利となる宇瑠寅は、立ち合いで真っすぐに体をぶつけずに“ぴょこん”と一度上に小さくはねる。その後、タイミングをずらしてから諸手で突いて出るも、突き合いではさすがに分が悪く、肥後ノ龍に一気に押し込まれてしまう。
それでも土俵際、肥後ノ龍の腕を手繰って反時計回りに形勢を逆転した宇瑠寅は“突いては離れ”を巧みに繰り返して肥後ノ龍を土俵の反対側に追い込んでいった。
しかし、ここでヒヤリとする場面が…肥後ノ龍が体格差を生かして宇瑠寅の左、そして右腕を順番に極めると、土俵中央でしばし膠着。ファンからは「腕折れちゃいそう」といった悲痛な声も聞かれたが、しばしの間を経て、一瞬のスキを突いた宇瑠寅が肥後ノ龍の下手を引いて体勢を崩すと、小さな体を目一杯、巨体に預けて体重3.5倍差の肥後ノ龍を全力で寄り切った。
無差別級である大相撲の魅力を体現する宇瑠寅の取組に対して、館内は騒然とし、拍手と歓声が上がった。粘りに粘ったうえでの劇的な白星に「無差別級の醍醐味」「サイズが随分と違った」「マジかよw」「60キロが勝つんかい」と興奮と驚きの声が殺到。館内の興奮もしばし収まることがなかった。寄り切った宇瑠寅が2勝目を挙げ、肥後ノ龍は5敗目を喫した。(ABEMA/大相撲チャンネル)