将棋の藤井聡太王将(竜王、名人、王位、叡王、王座、棋王、棋聖、21)に菅井竜也八段(31)が挑戦する「囲碁将棋チャンネル 第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第3局が1月27・28の両日に行われ、藤井王将が94手で勝利した。終盤では、右桂を活用した圧巻の寄せを披露。解説棋士は「藤井さんは『こうなったら良いな』ということを具現化しますね」と感嘆していた。
防衛3連覇を目指す藤井王将に、振り飛車党のエース・菅井八段が挑戦する注目のシリーズ。藤井王将の2連勝で迎えた第3局では、先手の菅井八段が「ずっと同じ戦型が続いていたので、違うことをやってみようかなと思った」と向かい飛車の戦いを選んだ。両者にとって初めての戦型とあり、藤井王将も慎重な対応を見せ「序盤はあまり想定していない展開になった。角が向かい合っている形での駒組みになったので、そのあと色々な展開が考えられて一手一手難しいと思っていた」と振り返った。
ペースを握るべく攻勢に出たと思われた菅井八段だったが、封じ手を前に自ら選択した角交換から指しにくさを感じてたといい、「攻めるしかなくなっているので、(藤井王将に)しっかり受けられると負けという将棋になっていた」。藤井王将はその読みの通りに受けの力を発揮。攻守の絶妙な組み立てから優勢を築くと、終盤まで力を溜めていた桂馬を跳ねて全軍を躍動し先手陣に迫っていく。三段ジャンプから成桂と一切緩みのない攻めで華麗に寄せ切り、白星を手にした。
中継で解説を務めた深浦康市九段(51)が「藤井さんの右桂が三段跳ねしましたね」と指摘すると、視聴者も「圧がすごい…」「ぴょんぴょんキター」と大興奮。さらに、「藤井さんは『こうなったら良いな』ということを具現化しますね。誰しもそう思うんですけど、実現するまでがね…」と藤井王将の構想&実現力に驚きを隠せない様子だった。
シリーズは藤井王将が3連勝で早くも防衛に“王手”をかけている。ストレートでの防衛3連覇を決めるか、菅井八段がまずは一矢報いるか、注目の第4局は2月7・8日、東京都立川市の「オーベルジュ ときと」で指される。
(ABEMA/将棋チャンネルより)