【写真・画像】「1時間弱って何分?」「鉛筆なめなめは気持ち悪い」日本語はムズかし過ぎ? 誤用も多い“曖昧な表現” 1枚目
【映像】1時間弱=60分以上と“勘違い”する若者
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 1時間弱は60分以内と思うのが一般的…だが、若者が60分以上だと認識しているなどとXで話題になり、「最近、若者に日本語が通じない!」という声があがっている。

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 日頃から大学生と向き合い、著書に『じつは伝わっていない日本語大図鑑』がある山口謠司氏(大東文化大学文学部教授)は、「“白紙に戻そう”と言っても、“消しゴムで消せばいいですか?” と言われることがある」と述べた。

 山口教授は、日本語を巡って世代間のギャップが生まれていると指摘するが、一方で若者からは「言い回しがややこしくて真意が分からない」「上司が“全員野球”と言うけれど、野球は全員でやるものでは?」「“鉛筆なめなめ”と言っているのを聞き、なんか気持ち悪かった」などの声もあがる。

 「1時間弱」などの曖昧な表現やことわざはなぜ通じなくなったのか。『ABEMA Prime』では、山口教授と当事者の若者を招いて世代間に溝を生む日本語について考えた。

日本語が曖昧すぎる? 若者の意見は

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  「働き始めてから“足が出る”“色をつける”“鉛筆なめなめ”などの表現をよく聞くようになった」という社会人4年目でSEのどくみる氏は「本当に言うんだなという驚きと同時に、例えば、エクセルのシートに“色をつける”と、値引きなどで“色をつける”という言葉を使われた時、文脈によって聞き直す時がある。比喩表現がややこしいので、直接的に言ってほしい」と述べた。

 また、「10人中10人が同じ認識を持っている言葉はそうない。個々人の一般常識や知識次第だが、他の表現があるなら、わざわざ回りくどい表現を使わなくてもいいのでは」と疑問を投げかけた。

 お笑い芸人のパックンも「日本語は紛らわしい。若者が悪いというが、我々中年世代でも間違っていることはよくある。例えば、お金を募っている側のテレビ局が視聴者に“募金してください”と呼びかけるのは間違いだ。“寄付してください”と言うべき。変な日本語に気づいて直すのは良いことだが、みんな間違っているのだから、偉そうに指摘せず直すべき」と発言した。

 一方、山口教授は「例えば“遠慮してください”という言葉は、ずっと使われてきたが、最近はもう“1、2枚だったらいいのでは”といった認識になってきている。状況をどう見抜くか、空気を読むことができなくなったということなのだろう」と解説。

 しかし、パックンは「だって“遠慮”ではないか。紛らわしい」と反論。続けて「周囲の人々が本来の意味を間違って使っている表現もある。皆が使っているなら誤用でも合わせたほうがいいのではと思うが、どうか」と質問した。

 山口教授は「言葉は変化していくものなので、皆が使う言葉が一番良いというか、わかりやすい。自分が正しい意味で言葉を使っていても、今度は人に伝わらなくなってしまう」との見方を示した。

本来の意味とは違う!? 誤用の多い日本語

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 例えば、「確信犯」も本来は“自分の行いが正しいという信念に基づいて行わる犯罪行為”の意味だが、“悪いことだと知ったうえでの犯罪や行為またはそれを行う人”という意味が一般化しており、他にも(フリップ)の通り誤用されている日本語は多い。

 山口教授は、「一本締め」を例にあげ、「手を1回だけ叩く意味で使うなら“お手を拝借”と言って“一丁締めで”と表現するのが正しい」と解説。「本来の意味を理解する人が少なくなった背景にはコミュニケーション不足もある。スマートフォンで何でも調べてしまい、LINEでみんなとやり取りする。例えばSNSのスタンプにも感謝などの意味はあるけれど、言葉で音を聞かなくなってしまった、音読をしなくなったとことも理由だ」と背景を分析した。

 パックンは「日本語は、直接言わないことが美徳とすることが多い。代表例は去年の流行語大賞“アレ(A.R.E.)”だ。“優勝”と言うと不謹慎、あるいはジンクスになるから“アレ”と言った。それが毎日のようにメディアに使われた」と述べた。

世界トップクラスに難しい「日本語」 やさしい表現使う動きも

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 日本語は、中国語・アラビア語と並んで世界最難関言語に数えられる。実際、表記方法が漢字・ひらがな・カタカナが入り混じっていることや、元々の意味から離れたそれらの使い分けも、学ぶものを悩ませている。また、男女による言葉遣いの違いなども初心者を悩ませる点だ。

 そのため、役所や公共交通機関では近年「やさしい日本語」が増加。また、文化庁の「やさしい日本語」ガイドラインでも、“できるだけ公共交通機関を使ってご来場ください”を“電車やバスに乗ってきてください”と、表現する等の例があげられ、漢字にはルビを付けることが推奨されている。

 この傾向について山口教授は「昔からあることで、漢語でしゃべったことを日本語に直す、“寛容に”“ゆっくりと”“くつろいで”など別の言い方に置き換えていた。語彙力が低下してそれができなくなり、簡単な言葉を使う流れになっている。本を読まなくなったことも要因だ」と指摘。

 一方、パックンは、外国人が多い渋谷区役所でやさしい日本語が使われている例に対して、「すばらしいこと。外国人だけでなく、様々なレベルの日本語をしゃべる国民がいる。例えば、業務連絡もなるべく簡単な表現がいい」との見方を示した。

 そのうえで「僕は日本語の難しさ、曖昧さも好き。業務連絡は簡単な言葉でいいけれど、ぜひこの議論が後世にも受け継がれるぐらい、昔からある難しい言葉・表現も守り、我々の子どもや孫にも受け継がれるような時代になってほしい」と、難しさゆえの日本語の魅力に言及した。

(『ABEMA Prime』より)

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