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【映像】本人と気づかず… 経済のプロを偽アカウントに勧誘する詐欺師
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 経済アナリスト・森永康平氏の名前を騙る偽のSNSアカウントを使い、投資の勧誘を行う詐欺グループを森永氏本人が潜入取材。時代を捉えた巧妙な手口が見えてきた。

【映像】本人と気づかず… 経済のプロを偽アカウントに勧誘する詐欺師

「最近、僕の会社の問い合わせフォームやSNSのDMに『投資詐欺の被害に遭った』『森永康平さんを信じてLINEの友達になったら引っかかった』というクレームが来ている」

 帽子・サングラス・マスクに革ジャン姿の男性。経済アナリストで『ABEMAヒルズ』の番組コメンテーターも務めている森永康平氏だ。

 SNSで森永氏になりすました偽アカウントを作り、投資を募る詐欺を行っているとみられる人物と対面した森永氏。カフェで対面した相手は森永氏の変装に気づくことなく、投資案件の説明を始めた。

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「来年から新NISAが始まるのはご存じですか?最初に紹介させていただきますのが、我々が運用しているファンド『ミャクミャク』です」

 開催に向け、大きな資金が投入される大阪・関西万博。工事などで関わっている企業に投資すれば、毎月5%の配当が得られると語る。万博のマスコットキャラクターの名を冠したファンドへの投資を言葉巧みに勧める相手。これに対し森永氏は…。

森永:新NISAについて自分でも勉強してみたんですけど、投資枠で買えるファンドって「金融庁が指定したもののみ」と書かれていて、ミャクミャクは無くないですか?

相手:数がすごく多いので一部が例として出ているだけでして。我々のファンドも認可を受けておりますのでご安心ください。

森永:そんなこと無くないですか?

 さらに、「オズプロジェクト」という最新AIが運用する仮想通貨の関連銘柄を紹介した相手。1口100万円という高額投資に戸惑う森永氏に、特典として紹介してきたのが「高額投資者限定のLINEグループ」だった。

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「LINEグループの中身は見せられないのですが、外見だけ見てください。いま一番注目されている経済アナリストの森永康平さんがやっているんです。この人はご存知ですか?テレビにも出ていて、我々プロから見ても一番できるアナリストですね」

 目の前の人物が森永氏本人であることに気づくことなく、自慢げに話す相手。森永氏は「投資をするから先にグループに入れてほしい」と説得。“偽森永康平”とLINEでつながることに成功した。

 自分の名前や写真を勝手に使われ、知らないところで広告塔となっている事態を受け、警察に相談へと向かった森永氏。しかし…。

「結論からいうと『僕が詐欺に遭っているわけではない』『肖像権的な話だけだと警察は動きづらい』ということだ。ただ、僕にしてみれば明確に詐欺をしている相手がいるとわかっている。僕が開示請求をかけなくとも、警察側で開示請求かけることはできないのだろうか」と懸念を示す森永氏。

 その後も、森永氏に「被害にあった」という問い合わせは相次いでいて、警察に相談するよう勧めているという。

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 今回対峙した詐欺グループについて森永氏は、「新NISAが始まったことや、1月は日本株の調子が良かったこともあり、投資熱が高まっているところに高配当のリターンをうたって付け入ってくる」と注意を促した。

 また、仮想通貨、ブロックチェーン、AIなどを持ち出してくることについて、「詳しくない人を誘い込むよくある“教科書通りの詐欺”。万博などその時の時世に合った言葉や話題を使ってくる」と指摘。だが最近は、著名人の名前を騙手口は巧妙化している」と警告した。

 さらに、最新の技術を使った手口も。森永氏によると、LINEグループなどでやり取りをしていて、「本当に著名人本人か?」と疑う人に対し、詐欺グループはビデオ通話に応じ、著名人の顔と声のデータを使った「ディープフェイク」で、AIにそれらしい原稿を読ませ、あたかも本人と通話しているかのように錯覚させるという。

■どうすれば防げる? 投資詐欺の気をつけるべきポイントとは?

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 これまでにも、様々な手口で投資詐欺グループと直接対峙してきた森永氏。彼らの印象は「怪しさや怖い雰囲気は全く感じさせない。周囲にいそうな人がやってくる。喋りも上手く、どんな突っ込みにもそれらしく返してくる。服装もスーツを着た営業マン風の人もいれば、カジュアルな私服姿の人もいる」と語る。

 こうした詐欺に遭わないために、どのような対策がとれるのだろうか。森永氏は改めて次のような注意を促した。

「InstagramやFacebookの広告には詐欺広告が相当多く含まれていると思っていい。投資の助言をするにはライセンスが必要なので、その相手が金融庁でライセンス登録をしているかどうかを調べることも有効だ。また、振り込む前には警察やメディア、著名人本人による注意喚起などをインターネットで検索してほしい。著名人の名前と一緒に『詐欺』や『LINE』などのキーワードで検索すると、悪用されている著名人が『困っています!』という注意喚起の記事が出てくるはずだ。詐欺にあってしまった場合には警察に被害届を出して欲しい」

(『ABEMAヒルズ』より)

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