将棋の第17回朝日杯将棋オープン戦決勝が2月10日に行われ、永瀬拓矢九段(31)が藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)に129手で勝利し初優勝を飾った。八冠王を破り堂々の初Vを手にした永瀬九段は「すごく自信になる」と喜びのコメント。昨秋の王座戦五番勝負で4期保持したタイトルを譲り、八冠制覇を許した最大のライバルにリベンジを果たした。
昨年10月の王座戦五番勝負敗退から4カ月。永瀬九段が嬉しい戦果を手にした。決勝戦では、信頼する長年の研究パートナーながら、自身が保持していたタイトルを奪われた最大のライバル藤井竜王・名人とのカードに。振り駒で先手となった永瀬九段は、「自分の中での課題の将棋をぶつけた」と矢倉を志向。研究の鬼としても知られる永瀬九段が温め続け、練りに練った秘策を披露した。
研究パートナーだからこそ、藤井竜王・名人にとってもその威力は驚異。早い進行で中盤戦に突入すると、藤井竜王・名人は大量に持ち時間を消費することとなった。対する永瀬九段は、「終盤に難所を迎えると思っていたので時間を温存していた」とプレッシャーを与えるようにノータイム指し。形勢は互角ながら、完全に永瀬九段のペースで終盤戦へと展開した。加速をつけるように寄せ合いとなると、永瀬九段は竜を自在に活用しリードを拡大。藤井竜王・名人の技を封じ激しい攻防戦を制してみせた。
堂々の優勝を手にした永瀬九段は「棋戦優勝が少なく、(全棋士参加の)一般棋戦優勝は初めてになるのですごく自信になるのかなと思います」と喜びを噛みしめていた。
失冠から4カ月。それでも腐ることなく研究に取り組み続けた結果、果たしたリベンジ。応援を続けていたファンからは「おめでとうー!」「努力の人だねぇ」「よかったねー」「なんかうるうるしちゃう」と祝福のコメントも殺到していた。
◆朝日杯将棋オープン戦 持ち時間40分の早指し棋戦。一次予選、二次予選を勝ち抜いた棋士が、シード棋士を含めた計16人で本戦トーナメントを戦う。参加は全棋士、アマチュア10人、女流棋士3人で優勝賞金は750万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)