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【映像】「遺伝でなる“がん”は何%」の答え
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 生涯で日本人の男性の2人に1人、女性の3人に1人がかかるとされる「がん」。子どもたちに正しい知識を身につけてもらおうと、「がん教育」を授業に取り入れている小学校を取材した。

【映像】「遺伝でなる“がん”は何%」の答え

 文部科学省は2020年度から小学校学習指導要領で、がんの予防などについて指導を行うよう明記。子どもたちに正しい健康教育を行う流れの中でがんの授業が2020年度から全面実施となったのだが、実施率は約6割にとどまる。

 「外部講師を選ぶことが非常に難しいこと、そして始まった頃にコロナ禍になり、外部講師を招聘することが難しくなってしまった」

 そう振り返るのは府中市立若松小学校の小林力校長。自身もがんで祖父を亡くした経験から、小学生にがんの授業を行う意義を感じている。

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 小林校長は自身のツテを頼りに外部講師による授業を実現。講師を務めるのはNPO法人がんノートの岸田徹さんだ。岸田さんは自身も2度のがんを患い、現在も闘病しながら、がんの情報発信などを行っている。

 「がんという病気がどんなものか、家族ががんになったらどうしたらいいのか、がんサバイバーの岸田さんのような方の具体的な話が聞けることは学びになる」(小林校長)

 岸田さんはがんの授業に携わって5年。今では年間50カ所以上もの学校で講師を務めるようになった。がんの基礎知識について小学生の好奇心を掻き立てるようクイズ形式を交えながら授業は進む。

 岸田さんは大学を卒業後、IT関連の会社に就職し順風満帆な社会人生活を送っていたが、25歳のときに「胎児性がん」という希少がんを患ってしまう。

 5年生存率は50%と診断される中、二度の手術によってがんを摘出。ただ、その2年半後、再びがんの脅威が岸田さんを襲った。精巣にがんが再発。手術で乗り越えたものの、手術の後遺症で射精障害を患ってしまう。

 「性機能のセンシティブなことは誰に相談すればいいのか。医療者の方に相談しても『様子を見よう』という回答、インターネットで検索してもそういう情報はまったく出てこなかった。『情報がないとこんなにお先真っ暗になるんだ』と大げさではなく、がん告知よりもショックを受けた」(岸田さん)

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 がん患者のための情報が少なすぎる…そう気づいた岸田さんは、ウェブ番組「がんノート」を立ち上げ、がんで悩んでいる人に役立つ情報を発信し、学校での授業も引き受けるようになったのだ。これほど前向きになれたのは、闘病中に知人がお見舞いノートに綴ってくれた、ある言葉のおかげだった。

 「ノートに、『Think Big! 大きく考えろ。人生で起こるすべての出来事に意味がある。徹の10年後はメッセージに溢れてるから頑張れ』というメッセージを言ってくれた方がいる。つらいときは目の前のことに集中しがちだが『乗り越えたら先があるかもしれない』と俯瞰して考えることで少しだけつらさが和らいだ気がした。悩んでいる時こそ大きく考えて、つらい時こそ未来を見据えて行動することが大事だ」(岸田さん)

 岸田さんの授業を聞き終えた生徒たちは「がんには生存する確率もあると知り、がんの重いイメージが軽くなった」「今回学んだことを家族に伝えて誰かがなった時とかもしっかり対応できるようにしたい」などと話し、アンケートでも95%以上の生徒が「がんに対するイメージが変わった」と回答した。

 全国的に外部講師を起用した授業はまだまだ少ないが、岸田さんにはがんに対する社会の見る目を変えていきたいという思いがある。

 「がんになると仕事・家族・恋愛・お金のことなどで不利益を被るが、がん患者のことを知ってもらうことによってまわりの見る目や知識、サポートが自ずと変わってくる。一緒に生きていく世の中になるためにどちらも歩み寄ってもらう、そういう社会を実現できたらと思っている。そのためにまずがんという病気やがん患者のイメージを変えていってほしい」

(『ABEMAヒルズ』より)

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