■大空氏「すべての出産は親のエゴ」「批判は個人ではなく社会福祉制度に向けられるべき」

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 子どもがいることで他の入居者への影響はないのか。金谷氏は「グループホームは非常に少人数で、疑似家族のような雰囲気がある。その中で子どもがいるのはむしろ良い潤滑油になっている」と説明。

 内閣府が実施した「障害者に関する世論調査」(2023年)によると、障害を理由とする差別や偏見が「ある」と88.5%が答えているが、金谷氏は「障害を持った人たちが子どもを産むのは普通のことだ」と述べる。「ただ、それをサポートする社会の側にない。我々は仕事として関わっているが、その体制をなんとか作れないか。それほどお金のかかる問題ではなく、すぐにでもできる」。

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 日本学術振興会特別研究員の延原稚枝氏は、障害者の子育て批判をなくすには「誰もが使える子育て支援の充実」が必要だと指摘。「核家族・共働き・ひとり親世帯など、親のみで子育てする世帯が増加したが、子育て支援は旧態依然。障害者だけ支援があることに疑問を持たれるのではないか」としている。

 NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星氏は「子どもを産むことはすべて親のエゴだと思っている。それは障害がない方・ある方に限らずみんなそうだ。そして、全ての人が誰かの助けを借りながら生きている中で、障害をお持ちの方だけに批判を向けるのは間違い。ただ、生まれた瞬間からヤングケアラーとしての人生がスタートしてしまうのも事実。そこは本来、子どもが親のケアをすることなく生きていけるような仕組みが必要で、批判は社会福祉制度に向けられるべきだ」との見方を示す。

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 金谷氏は「グループホームに入りたい人たちは一定数いて、いつもほぼ満杯。また、運営にも問題が多い。民間が老人施設をどんどん作っていたのが頭打ちになり、法人ではない人たちがグループホームに流れ込んでいる。そこで過当競争が起こるのはいいが、福祉的なサービスが見過ごされている。もう1つは、お金儲けで入ってくる人たちが多いこと。そのあたりが改善されないと、自立にはつながらない。障害者基礎年金では足りず、親御さんがお金を払ってグループホームで生活しているケースが非常に多い。貯金はほとんどできず、保険にも入れないので、本人たちの生活の質をトータルで考えてもらいたい」と訴えた。

(『ABEMA Prime』より)

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