<大相撲三月場所>◇中日◇17日◇大阪・エディオンアリーナ
土俵際の際どい攻防を経て、敗れた力士が土俵下に勢いよく頭から転落。その瞬間、館内は騒然となったが、転落した力士が驚異の身体能力を発揮して見事な受け身を披露すると、どよめきが一転して拍手喝采にかわった。
序二段五十三枚目・旭輝山(大島)と序二段五十三枚目・柏葉(伊勢ノ海)の一番でそれは起こった。
立ち合い、諸手突きで立った旭輝山に対して、柏葉は両手を伸ばして出足を封じる。その後も突き押しの回転を上げる旭輝山に、柏葉がタイミングよく引いて落とそうと試みる。しかし、旭輝山がこれに素早く反応すると攻防は土俵中央へ。
最後は土俵中央で柏葉の左腕を掴んだ旭輝山が、下がりながらも土俵際で足元を払うように腕を引いて懸命の投げ。土俵際で仰向けになった旭輝山に対して、投げをくらった柏葉は頭から勢いよく土俵下に転落した。
かなりの勢いに「おぉ」と館内はどよめいたが、柏葉は落下の瞬間に軽く手で地面に触れると、そこを起点にくるりと前回り受け身を披露。その見事な身体能力に館内のどよめきが一転、安堵と拍手喝采にかわった。
その後、軍配は旭輝山に上がったが、勝敗の行方は物言い協議に持ち込まれた。「同体では?」と協議された結果、柏葉の足が先に土俵を割っており、勇み足で旭輝山が3勝目を手にし、見事な受け身を披露した柏葉は惜しくも2敗目を喫した。(ABEMA/大相撲チャンネル)